第一章で名もなき楫師と彼にかかわる女人たちの話があり、その楫師が平正盛と出会う。平家が海の道に目覚めるきっかけである。その後子の忠盛がさらに財をなし、清盛へと続く。
経済というものはいつの世もおろそかにできないもので、制度がある程度疲弊してくると、制度内では低い地位のものがしばしば金の力でのし上がってくるものだが、平家はまさにその例の現われだったのだなと思う。
下巻清盛の時代になって頂点を極めたかに見える平家であったが、信西の死後、清盛の心中には徐々に陰りが出てくる。その不安がやがて専横的な振る舞いへとなっていったかのようだ。清盛は確かに独善的ではあったけれども、それはひとえに朝家に尽くしているがゆえのことであると、彼は信じて疑わなかったのである。
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