2009年05月19日

モンテ・クリスト伯(一~七) アレクサンドル・デュマ

河合隼雄氏が幼い頃読んで影響を受けたというのをどこかで読んでいて、その後つい最近、筒井康隆氏がお勧めの文学作品に挙げた、ということで、そんなに面白いのかと読み出したら、止まらなくなった。
帝政と王政が激しく入れ替わる19世紀初頭のフランス。そこで、主人公であるエドモン・ダンテスは妬みを買って本人のあずかり知らぬところで告発され、誰も抜け出せないような場所へ投獄監禁される。絶望のきわみの中で、同じく監禁されてる司祭と出会い、一縷の望みを繋ぎ、苦節14年目にして、脱獄に成功する。彼は自分を嵌めた人間たちに復讐を誓い、モンテ・クリスト伯と称して、司祭が残してくれた遺産で敵が自ら破滅していくように、策略を仕掛けてゆく。
敵が何人かいるので、話の筋が複雑になり、今、モンテ・クリスト伯がやってることが、他日どんな形で影響を及ぼすのか、本当は人生に対する警句がいくつかあって、じっくり読んだほうがいいのであろうが、どうしても話の筋を追うのに懸命になってしまう。
神の御心を成就するためにこうした人生を得たのか、それとも、それは彼が復讐するだけの言い訳にしか過ぎないのか考えてしまう反面、欲や保身のために人を踏みつけにした敵がどんどんクリスト伯の罠に嵌められていく様はちょっと痛快だった。このあたりまこと大衆文学といわれるのは尤もなことだが、得てして高邁な文学に劣らない警句や知恵がもりこまれているものだ。

「待て、しかして希望せよ」
この言葉は河合氏が感銘を受けたとのことだったが、確かにこの波乱万丈の主人公が、愛する青年に贈ったのはまさに逆境に対する知恵なのであった。

岩波文庫から全7巻。
モンテ・クリスト伯〈1〉 (岩波文庫)
モンテ・クリスト伯〈1〉 (岩波文庫)Alexandre Dumas 山内 義雄

岩波書店 1956-01
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タグ:人生
posted by てけすた at 20:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 本 (翻訳もの) | 更新情報をチェックする
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