2013年10月29日

チェーホフ短篇集

福武文庫のチェーホフ短篇集には『ともしび』『六号室』『すぐり』『恋について』『可愛い女』『犬を連れた奥さん』の六篇が収録されている。帝政ロシア末期の退廃した社会を背景に人々の心を描く。

『六号室』はちょっと恐ろしい。善良だが押しが弱く流されやすい医者が精神病棟にいた貴族の患者の話に夢中になり、気がつけば彼も同じ病棟に閉じ込められてしまったという話。ストア派の説く苦痛への軽蔑について患者に話すのだが、患者はこういって彼の言うことに反駁する。
「僕にわかっているのは、神が暖かい血と神経とでこの僕を創ったということだけです、そうですとも!有機的な組織は生命力があるなら、あらゆる刺激に反応するのが当然なんです。だから僕も反応するんですよ!苦しみに対しては悲鳴と涙で、卑劣さに対しては、憤りで、醜悪さに対しては嫌悪で応ずるんです。僕に言わせりゃ、これがもともと生命とよばれるものなんだ。有機体が低級になればなるほど、感受性が少なくなって、刺激に対する反応も弱くなるし、高級になればなるほど、感受性も強く、現実に対してよりエネルギッシュに反応するんです。…(略)」

観念的な考えをもてあそぶ医師への痛烈な言葉。医師は刺激的な彼の言葉を面白がって会話しているけれども、病室に送り込まれたときに、貴族患者の言っていたことが実感として襲ってくる。
人は自分の身に降りかかってないとき、ともすれば観念的で立派なことを考えて人にいってしまいがちであるけれども、これはこうした人々に対しての批判ともいえる短篇である。

『犬を連れた奥さん』はちょっとアバンチュールのつもりで誘った女性が忘れられなくなってしまう男性の話。この話を人生の落とし穴とみるべきか、それとも人生の崇高さとみるべきか、それは人によって違うだろう。ただ、倫理や常識だけが人生ではないということ。いや、それらを軽視してよいという話ではないんだが、しょせん倫理や常識は人間の理性がつくったものであって、それを超える生命力の前で人はどう生きていくか、そこのところがよく描かれていると思う。ここでも『六号室』の患者がストア派の考えを批判するように、人間の理性だけが素晴らしいものだということに意義を唱えているように思う。
ちなみに、トルストイはこの作品に出てくる主人公たちを「動物」と称したが、私の感覚からするとトルストイの絶賛した『可愛い女』の主人公のほうがよっぽど動物的に見える。もっとも、だからこそ愛嬌があって「可愛い人」なんだけどもね。
チェーホフ短篇集 (福武文庫)
チェーホフ短篇集 (福武文庫)アントン・パーヴロヴィチ チェーホフ 原 卓也

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ラベル:ロシア文学
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2013年10月25日

わが秘密 ペトラルカ

ペトラルカの『凱旋』は当時のがちがちのキリスト教的硬さが優勢だった時代に随分やわらかな内容で結構面白く感じた。そのペトラルカ精神的危機のときに尊敬するアウグスティヌスとの架空の対話を書き留めた作品がこの『わが秘密』なのだそうである。これは生前誰にも見せることなく、ひたすら自分のために読まれ、何度も推敲されていったものらしい。それだけに、他人に見せるような虚飾はなく、彼の思っていたことが率直に記されているだろうということは興味深い。

内容は、彼の悩み、7つの大罪のほかに野心を加えたものについてと、憂鬱、ラウラへの愛、名誉欲、について真理の女神立会いのもとで、アウグスティヌスがフランチェスコという人物に魂の病気を癒すための処方をするという形式で対話がなされている。そこにはアウグスティヌスというよりは、ペトラルカの宗教的道徳的な側面と、フランチェスコの実に人間的な弱さとの側面が描かれており、ペトラルカの苦悩の大きさを物語る。詩人であるがゆえに、一般的な教訓ではとても彼の苦悩を癒すことなどできず、彼は彼の中の徳をもってして、その苦悩を癒そうとしたようである。
とはいえ、最終的に堂々巡りを予感させる締めくくりになっており、なかなか人間の苦悩というものは一筋縄ではいかないものだなあという感想を抱く。

しかし、まるでストア派のようなアウグスティヌスの物言いは立派だと思うが、人はそれだけでは生きられないのじゃないかと思う。フランチェスコの苦しみは本当に人間の弱さを示しているんだけれども、その中から彼の詩才が生まれてきてるように思える。もちろん、この詩の才能は人間的弱さからだけでなく、彼の中のアウグスティヌスという人物が示すような気高さを背景に持っているのだけど、こういう葛藤を生き抜くこと、これは偉大な人物だけの課題ではなく、市井の平凡な人々にも多かれ少なかれこういう課題に目を向けるならば、そこに生きることへの足がかりが見えてくるのではないだろうか。
最後にアウグスティヌスに言わせるセリフは確かに生きることについての心構えを教えてくれる。

“きみはきみ自身を見すてさえしなければ、願いはかなえられよう。でなければ当然、きみはだれからも見すてられよう。”
わが秘密 (岩波文庫)
わが秘密 (岩波文庫)ペトラルカ 近藤 恒一

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ラベル:イタリア文学
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2013年10月16日

明治開化安吾捕物帖 坂口安吾

明治10年代を舞台に、物見高い剣客泉山虎之介が出会った事件について勝海舟に知恵を借りにいく連作物。勝先生は虎之介の話から推理するんだが、どうも虎之介の話がうまくないのか、7分ほどしか当たらない。代わって謎を解くのは結城新十郎という洋行帰りの紳士探偵、という設定。
勝先生が話の最後に寸評を述べるが、それがなかなか穿っていて面白い。

最初のうちは、推理小説らしく殺人事件がすぐ起こって、その様子が語られ、勝先生が話を聞いて虎之介に推理を聞かせているんだが、この本の後半の話になってくると、事件がおこるまでの経緯がより詳しく語られて推理するための調査部分が少なくなってくる。この事件が起こるまでの話が滅法面白く、いったい誰が死ぬのか、あるいは殺されるのか、もう犯人探しより、こちらのほうがずっと面白く読めた。

当時の世相や風俗が描かれており、前に読んだ山田風太郎の明治小説にも似た、というか、描かれたのはこちらが先なのだけれど、そういう世相批評的な部分も面白かった。
ただ、そのせいもあるのかな、後半部分の話は勝先生の推理部分がちょっとおなざりになってしまってる感あり。まあそれがご愛嬌といえばご愛嬌だけど、最後の話のお説教は戦争を体験した安吾の実感でもあろうセリフ
「…こういう役にも立たぬ律儀が万事につけて無役な悲劇を生むものだ。私もそれをやります、と虎の顔に書いてあるぜ。血相かえてシクジリをやらかして、忠君愛国と称し、仁義孝行と号して、地獄へ落ちると書いてある。充分に慎しむ心を忘れちゃいけねえや」
というのを読んで、ああ、流石に堕落論の人だな、と感心した。
明治開化 安吾捕物帖 (角川文庫)
明治開化  安吾捕物帖 (角川文庫)坂口 安吾

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ラベル:明治
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2013年10月13日

剣客商売 池波正太郎

『剣客商売』の感想をまとめておく。
著者順で出力したら、日付順に並ばずにばらばらになってしまった。ちょっと並べ替えるのがしんどいので、そのままコピペした。
みずらくてすいません。

ないしょないしょ―剣客商売番外編 (新潮文庫)
池波 正太郎 / 新潮社 (2003-05-13)
読了日:2013年9月3日
すいません、ドリーム小説みたいだと思いました。お福が手裏剣教わるところは好き。
二十番斬り (新潮文庫―剣客商売)
池波 正太郎 / 新潮社 (2003-02)
読了日:2013年8月13日
めまいを起こした小兵衛のシーンから始まるこの長編、小兵衛が戦う場面があえて描いていないところが何箇所かあったのが印象に残った。秘すれば花ではないけれども、そのあたり想像を掻き立てる。もはや小兵衛の視点というより、周りの登場人物から彼を浮き上がらせる描き方。
剣客商売 (新潮文庫―剣客商売)
池波 正太郎 / 新潮社 (2002-09)
読了日:2013年2月27日
取り立てて感想が浮かんでくるわけではないんだが、じっくりと味わい深い。まあどんな場合にも動じないように見えてもやっぱり息子の危機には動揺する小兵衛を描いた部分(まゆ墨の金ちゃん)、このあたりの機微は流石にうまいと思った。
剣客商売 波紋 (新潮文庫)
池波 正太郎 / 新潮社 (1995-08)
読了日:2013年6月29日
虫歯、歯周病のある人は小兵衛の真似をして小太郎に食べさせてはいけません(笑)

今回は昔の知り合いの話が随分多いな、と思ったら、この巻の前に『黒白』が書かれていたのね。後の巻を読む前にそっちを先に読むか。
剣客商売〈5〉白い鬼 (新潮文庫)
池波 正太郎 / 新潮社 (2002-11-18)
読了日:2013年3月30日
たまに優れた技の持ち主が出てくると、この人この後にもでてくればいいのになあ、と思うことがある。お秀もそう。ところでとうとう大治郎の胸の内が小兵衛に知れましたな。恋愛話はあまり興味ないのだけれども、誰かが第三者に恋心を知られたときの話というのは知られたほうの羞恥心と知ったほうのなんともいえぬくすぐったさを想像してなんだか読んでてこちらまでくすぐったくなってくる。
剣客商売〈7〉隠れ蓑 (新潮文庫)
池波 正太郎 / 新潮社 (2002-12-25)
読了日:2013年4月21日
タイトルネタバレじゃないかwという短篇あり。「徳どん、逃げろ」はちょっと鬼平犯科帳を思わせる内容だった。盗賊も魅力的に描いてしまうのが池波正太郎の面白いところ。
剣客商売〈8〉狂乱 (新潮文庫)
池波 正太郎 / 新潮社 (2002-12-25)
読了日:2013年4月29日
「狐雨」がほのぼのとしていて好きだな。ちょっと童話みたい。秀さんが登場した「秋の炬燵」も好き。
剣客商売読本 (新潮文庫)
池波 正太郎 / 新潮社 (2000-03)
読了日:2013年9月11日
インタビューでこの先の抱負として小太郎を主人公にして書いてみたいとおっしゃっていた。作者の急逝でそれが幻になってしまい残念だ。
勝負 (新潮文庫―剣客商売)
池波 正太郎 / 新潮社 (2003-01)
読了日:2013年5月30日
小太郎誕生のめでたさの陰で、昔関わった人物たちのことに心痛める小兵衛と三冬が印象に残ってしまって、なんだかめでたい巻のはずなのにもの悲しくなってしまった。
十番斬り (新潮文庫―剣客商売)
池波 正太郎 / 新潮社 (2003-01)
読了日:2013年6月19日
『白い猫』にしろ『逃げる人』にしろ、なにかこの父子にはいい守護がついてるとしか思えないような結末に苦笑。いや、あのままだったらなんとなく読後感よくないものな。娯楽小説なのでこの辺は許してあげましょう。最近不条理小説読むのがつらい体調なので。
天魔 (新潮文庫―剣客商売)
池波 正太郎 / 新潮社 (2002-10)
読了日:2013年3月20日
「約束金二十両」に出てくる平内太兵衛の居合いが説明されてもどうしてもイメージわかない。つい心の中で「どこをどうしたものか…」と剣戟シーンにおけるいつもの言葉をつぶやいてしまった。そして常盤新平の解説だが、1巻でとある二人の展開をばらしておいて、「この二人がこれからどうなるかという興味で…(以下略)」とか書いてるのを読んでなんだかなあ、とか思った。まあいいけど。
待ち伏せ (新潮文庫―剣客商売)
池波 正太郎 / 新潮社 (2003-01)
読了日:2013年5月5日
まだこのシリーズ全部読んでないけど、9巻まで読んだ中ではこれが一番好きかな。本来真っ当な人が複雑な事情で最期を迎えるという話がじんわりくる。また「冬木立」のなんともいえない哀愁がたまらない。いいことをしているつもりでもそうでない場合ってあるもんなあ。
新妻 (新潮文庫―剣客商売)
池波 正太郎 / 新潮社 (2002-11)
読了日:2013年4月11日
「いのちの畳針」が良かった。体を壊したために剣術が出来なくなっても、人を助けるために自分のできることをする、このあたり人生訓くさいコメントだが、いいんだよねぇ、植村さん。この人好きだわ。ああ、それと例のお二人ですが、もう少し紆余曲折するのかなとおもったら、やけにあっさり話がまとまってしまいましたな。
春の嵐 (新潮文庫―剣客商売)
池波 正太郎 / 新潮社 (2003-01)
読了日:2013年5月17日
大治郎の名を騙った人斬りが次々と起こる長編。誰がやっているのかわからないまま事件が繰り返されていく場面に読む手が止まらない。今回いろんな縁の人が協力してくれたんだが、どこで出てきたか思い出せない人もいて、シリーズ再読の必要性を感じた自分の記憶力の不確かさに憮然。
暗殺者 (新潮文庫―剣客商売)
池波 正太郎 / 新潮社 (2003-02)
読了日:2013年8月5日
長編。この巻では秋山父子は脇役なのであるが、それにしても小兵衛の描かれ方に時の流れを感じる。
浮沈 (新潮文庫―剣客商売)
池波 正太郎 / 新潮社 (2003-02)
読了日:2013年8月20日
年月は人のありようをいろいろに変えることを描写したちょっと切ないような哀愁漂う最終巻だった。それにしてもおはるが先に逝くとは。大治郎とか三冬は小兵衛をちゃんと看取ることができたのかな?それだけがちょっと知りたかったな。
辻斬り (新潮文庫―剣客商売)
池波 正太郎 / 新潮社 (2002-09)
読了日:2013年3月8日
小兵衛がだんだんとおせっかい老人になっていくなあ。まあヒマだとそうなるんだろう。「悪い虫」で10日で強くしてくれという人がやってくるが、いやその方法はちょっと度肝を抜かれた。ところで解説なんだが、1巻でも思ったけど、あまり先のことを書くのやめてほしいな。前の話ならいいけど、先でこの二人がこうなるとか書かれてしまうと興ざめしてしまう。ネタバレという話ではなく。
陽炎の男 (新潮文庫―剣客商売)
池波 正太郎 / 新潮社 (2002-10)
読了日:2013年3月16日
「深川十万坪」での小兵衛はなぜか水戸黄門的な匂いがした。ということで頭の中では藤田まことじゃなくて、西村晃が活躍しまくってた。ところで解説がまた常盤新平なのでこれ16巻全部書いてるのか?と思い16巻目を見たところやはりそうだった。大変な入れ込みようだな、と本作とは関係ないが、そんなことをちらと。ちなみに解説そのものは前2巻と比べて節度があった。やっぱり先の巻の話を書いちゃいかんよなあ。
黒白 上巻 新装版   新潮文庫 い 17-17 剣客商売 番外編
池波 正太郎 / 新潮社 (2003-05-10)
読了日:2013年7月23日
小兵衛の若かりしころの話。若い頃からああいう感じなのかあ、と思いながら読んだ。本編剣客商売読まなくても十分楽しめるね。主人公はもう一人波切八郎という人物。彼のことが気になります。下巻が楽しみ。
黒白 下巻―剣客商売 番外編 新装版 (新潮文庫 い 17-18)
池波 正太郎 / 新潮社 (2003-05-10)
読了日:2013年7月25日
岡本弥助は役どころとしては悪のほうに入るのだけど、妙に人間的魅力を備えた人物に描かれている。他にも悪のように見えるけれどなにかそう拒否できないような微妙さが随所にある。終わりのほうで小兵衛が大治郎に語る言葉がタイトルの意味であり、ほんとに池波正太郎はこういうことを書かせたらうまいな、と思う。
剣客商売 包丁ごよみ (新潮文庫)
池波 正太郎 , 近藤 文夫 / 新潮社 (1998-03)
読了日:2013年9月20日
なすの丸煮をやってみたが、母に好評だった。調味料の塩梅がつかめなかったせいか、ちょっとしょっぱくなってしまったけれども、今まで作ってたなすの煮物とは雲泥の差。他にも作ってみたいものがあるが、手間がかかったり、材料が今では希少になってしまって手に入りにくいものとかもあって、残念だ。写真を見ていると、昔家にあった料理本みたいで懐かしき昭和テイスト。
ラベル:時代小説
posted by てけすた at 11:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 本 (国内) 小説 | 更新情報をチェックする

2013年10月09日

エセー(1巻~2巻12章まで) モンテーニュ

某中古本店にて世界文学全集のばら売りがあった。その中にモンテーニュのエセーがあったので105円だし、購入して、毎日少しづつ読んでいる。本は2冊あって、まず1冊目を本日読み終えた。
『モンテーニュⅠ』と題されたこの本には、エセーの1巻から2巻12章までが収められている。

1巻目は軍事のことに関しての話題から始まるので、どうもぴんとこなかったのだが、後になると教育や宗教、思想について言及されだし始めるので、このあたりから徐々に読みやすくなってきた。
エセーは、モンテーニュの思想というよりは、古代ギリシャ、ローマを始めとする、モンテーニュが受けた学問をよりどころに、本人自身の直観的な発想で色付けされているように思える。難しい論理はあまりなく、ちょっと考えると、確かにそうだな、と思うところがあるので、モンテーニュの雑談を聞いてるような気楽さがある。
古代の思想からふんだんに引用された文言はそれだけでも勉強になる。

読んでいくといろいろ引用したい部分がたくさんあって、このブログの記事には書ききれないのだけど、ひとつ、人生に苦労してるなあ、死にたいなあと思ったときに、こういう言葉を思い出すといいのかも、と思うのが2巻3章にある言葉で
“どんな不幸もそれを避けるために自殺するだけの価値はない。それに、人間界の事柄は急激にいろいろに変化するものであるから、どこで本当に望みが切れたかを判断するのもむずかしい。”

東洋の“禍福はあざなえる縄の如し”じゃないけれども、そういうことを思い起こさせる。
さて、2冊目はどんなことがらが書かれてるか楽しみだ。
【2014.3.19追記】
この続きであるエセー2巻13章~3巻の感想書きました。

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最新の訳の本。読んでないけれど、のせておきます。
エセー〈1〉
エセー〈1〉Michel de Montaigne

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ラベル:人間
posted by てけすた at 07:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 本 (翻訳もの) | 更新情報をチェックする

2013年10月06日

クライスレリアーナあれこれ

etaホフマンは私の大好きな作家だ。『牡猫ムルの人生観』を読んではまった。全集はまだ読んでないのだが、手に入れられる文庫本などぼちぼち買って読んでいる次第。『クライスレリアーナ』も図書館にあった昔の文学全集に収録されてるのを読んだ。
ところで、私は音楽に疎いのだが、ヨハネス・クライスラーを扱った曲があるという。シューマンの『クライスレリアーナ』である。どんな曲なのか知りたくて、動画を探してみると、ホロヴィッツ演奏のがやたら秀麗でうっとりしてしまったのは前に書いた。
クライスレリアーナ シューマン【YouTube】
それで、とうとうCDを購入してしまったのである。
『クライスレリアーナ』は8曲からなる構成でそれぞれの曲にタイトルはついてないのだが、私は1曲目と8曲目がわりと好き。なんか奇矯で激しいところがヨハネスらしい感じがする。もちろん、しっとりとした部分も彼の優しさが現れていていい。
シューマン:子供の情景/クライスレリアーナ 他
シューマン:子供の情景/クライスレリアーナ 他ヴラディーミル・ホロヴィッツ

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そんなわけで、これを何回か聴いてるうちに、またヨハネス・クライスラーに会いたくなって、『牡猫ムルの人生観』を再読。
再読して初めて気がついたが、ムルのパートはそれ自体クライスラーの伝記のパロディになってること。例えば、ムルが詩作したものを発見したアブラハム師の知り合いの教授が師に猫がこんなの作ってる、と読み上げるシーンのあと、クライスラーの話に飛ぶと、そこはどこぞの隊長が作った退屈な詩を聞き終えたシーンになっていて、「君にしては神妙に聴いていたね」みたいなことをクライスラーが誰かに言われていたりする。
こういう箇所がいくつかあって、そのまま書くと毒がきついとか、野暮になりそうな部分をムルの自伝に置き換えることでユーモアが生まれる。ばかだなあ、最初のときは気がつかなかった。

ラベル:ドイツ文学 音楽
posted by てけすた at 11:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 芸術、音楽など | 更新情報をチェックする