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2013年03月28日

読むと書く―井筒俊彦エッセイ集

井筒俊彦は語学の天才といわれる。確かに30以上の言語を操ることができるということで天才だといえることは違いない。けれども私は本著書に収録されてる「語学開眼」の一節を読んで、彼の天才性の一端をのぞいたような気がした。そのエッセイでは少年の頃、英語ができなくて苦労した思い出が書かれていて、信じられないのだけど、りんごの数をあいまいにして、単数と複数の英文を同じく訳してしまって先生に注意された後、もやもやした気分で電車にのる。
その時、こんなことを思うのである。
(我々は普通単数も複数も区別しないで喋るが)―だが英語では物があれば、必ずそれが一つなのか、一つ以上なのかを先ず意識しなくては喋れない。文法上そうなのだ。たとえリンゴの数など問題でないような場合でも。物を見る、そのたびに必ず単語を区別しなければ口が開けない。そんな妙な言葉を幼い時から話してきた連中の心の動きはよほどかわっているに相違ない―

言葉に対するこの問題意識は後の井筒先生の仕事を考えると、なにか感銘を受けずにはいられない。
言葉―井筒先生は「コトバ」と表記するが―とは人間の心に大きく影響する。コトバは決して外界の事象を指し示す記号のみの役割を果たしているのではない。それは人の考え方を決定付けるものなのである。
そうした観点から言語のこと、東洋思想の研究、そしてそれらを結びつけるための「意味」を探る研究は人間の心、あるいは意識を考える上で大変面白いと私は思う。

この本は著作集など分量が多くてなかなか手をつけられない場合、この一冊で井筒俊彦の仕事が俯瞰できるような編集がされているし、また手紙なども収録されていて、どういう動静だったのかということもうかがえる、まさにオビの通りの「入門書」だ。
中には学術的な内容で難しいのもあるのだが、総じて他の著書に触れたことのある読者なら、その著書の雛形というか素描のような文章に出会うであろう。
普段買う本としては高価で買うまでだいぶ迷ったが、買ってよかったと、読了後思った。
読むと書く―井筒俊彦エッセイ集
読むと書く―井筒俊彦エッセイ集井筒 俊彦 若松 英輔

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タグ:東洋哲学
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2013年03月27日

バビロンの大富豪 ジョージ・S・クレイソン

自己啓発本というのはいろいろあるけれども、この本のように寓話にすると案外時間の波に耐えられるようである。
バビロンを舞台として、蓄財するにはどうしたらよいのか、という話について何度も同じ原則を繰り返し述べながら、話をいろいろと盛り込んであるところはとっつきやすいし、こういう本はあのビジネスビジネスしたライフハック本より万人に受け入れられやすいように思う。
ツイッターでもこのように述べたけど

もっというならば、野放図になってる自分の中の欲望をよく見つめなおすことは、金銭的なことに限らず、ありとあらゆる分野に有効に働くのではないかと思う。
その日ぐらしは獣のようだともいうけれども、獣には野生の本能が研ぎ澄まされていて、その日ぐらしの代わりに予兆に敏感だ。
しかし、文明生活になれきった人間は予兆を感じ取る力が鈍っている。だからこそ、ただのんべんだらりと生活していてはいかんのだよ、みたいなことなんだろうと思う。
まあ、別に金がなくても楽しめる人はこんな本を読まなくていいさ。
金がないといつもこぼしているような人は、こういう本の言ってることをきちんと考える必要があるんじゃないかな?

ところでたくさんの寓話があったけど、わりと好きな寓話にロバと牛の会話がある。
牛が毎日鋤を引かされて大変だ、それに引き換えロバ君は着飾って荷物を運ぶだけだからいいなあという話をすると、ロバがじゃあ、一日休めるように仮病をつかったらいいさ、と提案する。牛、次の日そのようにしたところ、ロバが鋤を引かされることになって、さあ大変。さんざんな目にあったロバは牛が今日は休めてよかった、というと、次からは休まないほうがいいよ、これ以上休んだら肉屋に売るからという話を主人たちがしていた、といって、2匹はそれから口もきかなくなったとさ、という話。
この教訓は自分が負担にならない方法で相手を手助けしないと、良い結果にならないということだったけど、まあ適当なアドバイスは自分に降りかかってくるという教訓もあるようで、なるほどなあ、とつい感心してしまったな。
バビロンの大富豪 「繁栄と富と幸福」はいかにして築かれるのか
バビロンの大富豪 「繁栄と富と幸福」はいかにして築かれるのかジョージ・S・クレイソン 大島 豊

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タグ:自己啓発
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2013年03月19日

アルプスのタルタラン アルフォンス・ドーデー

「陽気なタルタラン」という本があるが、名前だけ聞いてちょっと気になってはいたのだ。しかし読むとなると本格的に図書館を探して予約して、というのが面倒でそのままになってた。
ところが、この「アルプスのタルタラン」という本がたまたま入った某中古本屋にあって、値段も手ごろだからちょいと読んでみようかという気になって購入したのである。
予想したとおり、これは「陽気なタルタラン」に次ぐタルタラン物2作目で、訳者序文によれば、獅子狩りで一躍名士になったタルタランがアルプスに登る、という話なのだそうだ。序文で1作目のあらすじがあるので、これを先に読んでも大丈夫だ。

ということでタルタラン。初めてお目にかかるキャラクターだが、なんだかかわいいおじさんなのだ。太って頭は剥げて、ひげ生えてて、想像力がたくましい。訳者はドン・キホーテの勇気とサンチョ・パンサの小心さが一人の人物に入ってるという評だが、サンチョ・パンサが自発的に冒険するような感じの人物。
その妄想、もとい、想像力はタラスコンという町の人々に備わった特性で、とにかくちょっとした出来事が彼らの想像力であっという間に尾ひれがついて抱腹絶倒な出来事になるのだから愉快愉快。
その最たる人物が、タルタランがユングフラウに登る時に出会った、アルピーヌ倶楽部(タラスコンの登山クラブで現在はタルタランが会長)の元管理人ボンパールで、タラスコンの人々からすら「嘘つき」と呼ばれたほど。彼がタルタランにあることないこと吹き込んで、タルタランが以後それを真に受けて行動するさまがなんともコミカルである。
構成が緻密な長編というわけではないけれども、この愛すべき人物タルタランの登山話はなんとも愉快で息抜きにぴったりの本である。
もっとも、岩波文庫は昭和27年に出したきり版を新しくしていないので、旧漢字や古い言葉遣いなどが読みにくいのは否めないのだが。
アルプスのタルタラン (岩波文庫)
アルプスのタルタラン (岩波文庫)ドーデー Alphonse Daudet

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2013年03月15日

神田橋條治 精神科講義

中井久夫は彼のことを名人とか職人とか言っていたのをどこかで読んだのだが、この本を読んで、ああなるほど、そんな感じだわ、という思いを強くもった。
名人の話は素人からすると信じられないようなことがたくさんある。経絡が見えるとか体に触れないで整体とかほんまかいな?と思うような話もぞくぞく出てきて、たぶん正統派?の人からしたら胡散臭く聞こえそうだと想像する。
しかし、この話滅法面白いのである。ま、そういうトンデモに近い話が好きなせいもあるけど、まさに「高度に発達した芸は超能力と見分けがつかない」なのである。

というわけで、以下、自分の好きだった箇所を覚書しておく。
「粘り強い心をつくる」では脳が急速に発達する時期にはその脳の持ってる潜在的な可能性が発現されることを求めているという。そこで現れるのは「好奇心」といわれる現象。そのときはあまり役に立たないことや危険なことが現れるが、一番情報量が多くなるには相手が反応してそれに対してこちらが対応するというやりとり。それを遅まきながらやっているのが、いじめをする子供たちだろうと思う、と神田橋先生はいう。そこに脳の充実感を感じるのだというのである。

「技法の工夫を支えるロマン」の2011年追想においては、医者の「薬物依存」「マニュアル依存」がひどいものになってるといい、自分のロマンや憶測は頼りないものだが、それと自覚しているだけ容易に撤退できるが、マニュアルや診断基準といったものは頼りありげなので使う側のしがみつきが生じやすい。主観・感覚の放棄は自己放棄なのです。と〆ていた。

「臨床の新知見について」はリストカットする人の共通点として、身体に芯が通ってない、ということを述べている。これは比喩ではなくて、実際バランスをとるときのすっと一本通ったような姿勢のことを言うようだ。この芯を中心に動いていると、周りの出来事に大きく揺さぶられることが少ないという。先生は聴講者に対し、試しに外界から入ってくる刺激を全部、この芯に入れてみることを勧めている。そうすると自分の存在全体が影響を受けなくなる。芯は揺らいだりする体感はあるが、他は影響を受けない。その結果外界からの刺激を減らさずに物事を見ることができるので疲れずに細かいところまで観察できるようになるとか。

「フラッシュバックの治療」では漢方についていろいろ述べられているが、印象に残ってるのが、「漢方の大家はガンで死なない」というもの。大家はだいたい血管性の疾患で死ぬらしい。このことから漢方はその方面には無力のようらしい。

「治療者の偏見」においては正しいこと、つまり公式化されたものをやってる先生は治療が下手。それは間違ったことをしないからだと。正しい治療をしていくことと、治療を工夫してやっていくことはどこか本質的に相容れないのかもしれないという。
それにつれて、近頃増えてきている訴訟のこと。これが増えると、結局間違ったことはしてられなくなるから、公式化されたことをやって、それでうまくいかなくても治療したんだから治らなくてもしゃあないとあきらめてもらう、つまりファストフードのような治療になると指摘している。

最後。これが一番すきなんだけど
「ツボと経絡」において、ツボに向かって刺してやるというのは全部錯覚で、実際は「治療してほしい」という気が出ていて、それをいじるだけでいいんじゃないかと思ったという。どうしてそういうことを考えたかというと、鍼灸師の先生から「ツボのところをノミや蚊やダニが食うんです」という話を聞いたそうなのだが、本当はツボから立ち上がる邪気がダニなどを呼び寄せてるんじゃないか、まるで臭い花によってくる蝿との関係と同じで、治療して欲しい“気”が引き寄せてるのではないかと。もしそうだとすると、それら刺す虫たちと共存することによって健康を維持するという働きが発達してそれが経絡のような働きになったとしたら壮大な話ですごいじゃない、という話。
神田橋條治 精神科講義
神田橋條治 精神科講義神田橋 條治 林道彦

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2013年03月13日

『コーラン』を読む 井筒俊彦

この本は岩波市民セミナーとして開催された講座をまとめたものである。市民向けであるためでもあろうか、文章そのものはあまり難しいものではない。
しかし、その内容たるや、奥が深くて、これぞ教養のための講座だ、と思わずにはいられないほど有意義なことがたくさん書いてある。
その半分は、古典を読む、その方法論として書かれた言葉から、当時話された状況にまでさかのぼりその意味を探るという、大変に高度な方法であり、膨大な知識とその文化に対する理解がなければ到底為しえないものである。それをわかりやすく噛み砕いて説明してくれており、まさにある文書を理解する、という点において、これほど素晴らしい見本を読んだことがないだろう、ってくらい。いや、もちろんこれは私の浅学な経験だけから言ってることであるのだが、特に古典を読む際にはまず、こういう姿勢を学ぶ必要なあるな、と感じた。

その思いに拍車をかけるのが、ここで使われたテキスト「コーラン」
コーランは読んだことがないのではあるが、井筒先生によれば、その世界は当然のことながら現代日本とは大きく環境などが異なり、言葉に対する意味づけや連想は大きく変ってくるのであるから、ただ読んだだけではよくわからないかもしれない、というようなことをおっしゃってる。
かのカーライルにですらコーランを退屈な文章だといったことに対して、理解が足りなかったのだと手厳しい。
そこで、先ほどの方法論を駆使して、「開扉」というたった7行の章―ただし、コーランのエッセンスともいえるべき章―を見事に展開してイスラーム共同体とコーランの関係を解き明かしてくれるのである。
そこには誇り高きアラブ人に反発されたコーランの神の奴隷たる帰依者の道ということや、存在の夜と称した、近代の照らされた意識からは思いもよらぬ、呪詛の世界に生きている人々への一条の光としての神、といったような世界をかいま見ることができて、自分がいかに一面的にしか物事を見ていないか、ということを痛感させられた。

とにかく、一粒で2度どころか美味しい粒がいくつもある井筒先生の講座本。教養の基礎の基礎を学べます、などと最後は売り込みになってしまった。
『コーラン』を読む (岩波現代文庫)
『コーラン』を読む (岩波現代文庫)井筒 俊彦

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タグ:言葉
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2013年03月09日

斬奸状は馬車に乗って 山田風太郎

この選集2も既読のものばかりだったが、購入してしまったでござる。そして改めて読んでみると前には気がつかなかったり、そのときには思わなかったようなよさを発見できる。
「大谷刑部は幕末に死ぬ」もその一つ。
前読んだときにはあまり印象に残らなかったように思うんだが、今回は違った。
山風の凄いところはたとえば社会の無頼が変な洗脳を受けて政治の中でさんざ利用されるという構図を見事に描き出してるところだ。それもありきたりの社会派小説でなく、珍妙ともいえる設定でやってしまうのだから。この場合、珍妙とは任侠に思想をくっつけたところ。そこにはおかしみがあるのだが、どうしても今だとどういう流派にしろ庶民が立ち上がってごちゃごちゃ活動する姿がたぶってしまう。いや、彼らはしごく真面目であるし、茶化そうなどというつもりは毛頭ない、が、山風のこんな小説を読んでしまうと、どこかにそれを操ってる頭目がいて、などと考え、所詮庶民は使い捨て、なんだろうなあ、などと思い、どうか彼らが報われるように、と祈らずにはいられなくなるのである。
大谷刑部も報われなかった。もちろん本人は自分は捨石だと覚悟していることではあったのだが、やっぱりなんだかなあ、と思ってしまうのである。

報われないといえば「笊ノ目万兵衛門外へ」もそうだ。ほんと読んでてやりきれなくなってくる。山風は浅間山荘事件における警官の話からヒントを得たそうであるが、こういった話で考えてしまうのは人が完璧に正義を為すということの難しさである。

他に表題作「斬奸状は馬車に乗って」「獣人の獄」「切腹禁止令」「陰萎将軍伝」「明治暗黒星」など。
斬奸状は馬車に乗って: 時代短篇選集 2 (小学館文庫)
斬奸状は馬車に乗って: 時代短篇選集 2 (小学館文庫)山田 風太郎 日下 三蔵

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タグ:歴史伝奇
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2013年03月08日

楢山節考 深沢七郎

4篇収録の文庫本。

表題作「楢山節考」における老人を棄てる因習というのは近代の感覚ではどうにも耐えられないものがあるからごちゃごちゃと考えてしまうがこの小説にはそれがなく、凄みを帯びている。おりんのように立派に楢山へ行こうという老人もおれば、銭屋の又やんのように乱れまくる老人もいる。おりんのほうは宗教的なほどであるが、又やんは人間的な弱さをひしひしと感じてちょっと共感してしまった。彼の末路は悲惨なものなのだが、ああ、人間というのは執着すればするほどひどい結末が待っているものなのかもしれない、などと思わずにはいられなかった。

「東京のプリンスたち」には当時の10代が風俗とともに語られる。プレスリーに傾倒している仲間たちの日常はどこか普遍的な10代の刹那を感じ、なぜか自分の10代の頃を懐かしく思い出してしまった。もちろん、私はこの年代ではありませんが。

「月のアペニン山」はちょっと好みではない。習作ということだから仕方ないのかもしれないが、発想が安易で数ページ読んでおおよそのからくりが想像できてしまった。あまりサスペンスとしては上等ではない。

「白鳥の死」は正宗白鳥の死を描く。キリスト教に懐疑的だった白鳥が臨終近くなって神を信じるようになるのを見るのはなんだか複雑な心境だな。
一方、この短篇の語り手である作者はというと死によって、生で培われてきたすべてのものがチャラになるという意味のことを書いており、この虚無は何事も価値や意味を持たなくてはならないと強迫的にまで思っている世間の考え方と一線を画していて、この考え方は私にとって心地よい。
楢山節考 (新潮文庫)
楢山節考 (新潮文庫)深沢 七郎

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タグ:人間
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2013年03月06日

世に棲む日日(全4巻) 司馬遼太郎

幕末、激しい攘夷運動が起こった長州藩。そのきっかけとなった吉田松陰と彼の後継者として革命を起こした高杉晋作のことを語る小説。
まあ、いろいろ高杉晋作がバイロン卿みたいだとか、松蔭と晋作は、イエス・キリストとパウロみたいな関係によく似ているな、だとかそんなことばかり思い浮かんできてどうしようもなかったが、とにかく、松蔭のパートでは書きにくい人物なのかあまりぱっとしなかったのだが、高杉晋作に主役が移ると俄然面白くなった。特に3巻目のテロ活動に始まって、長州藩の攘夷活動に成功して英雄になったかと思うと、一転して開国を標榜して奸徒などといわれて逃亡するなど、その活動がめまぐるしいし、さまざまな戦いの描写も読んでいてえらく興奮した。
この革命と小説中では書いてるが、その是非はともかく、うまくいく革命ほど読んでいて痛快になるものはない。しかも、幕府とか左幕派の長州武士がともすれば役人的な振る舞いをする人物たちに描かれているもんだから、つい現代のそれと重ね合わせて読んでしまうんだよね。オジサマ方がハマるのはこういうところなのかなあ、なんて思いました。

ところで、高杉晋作は詩人だと小説中では連呼されている。なるほど紹介される彼の作った詩などはちょっと私好みなのではある。
一番すきなのは、ほぼ革命も成功したが、どこからも命を付けねらわれるためとりあえず逃げることになった晩年の頃、小説の中では船の中で草稿として書いた、という詩。
破衣破笠一草鞋(はいはりゅういちそうあい)
至処青山骨欲埋(至るところの青山骨を埋めんと欲す)
石枕夢冷孤渓月(せきちん夢は冷ややかに孤渓の月)
古寺魂暗五更懐(古寺魂暗く五更懐かしむ)
見生如死死即生(生を見る死の如く死は即ち生)
自言我是方外客(自ら言うわれはこれ方外の客)
無情淡心玩咏歌(無情淡心咏歌をもてあそぶ)
曾抛高位不肯惜(かつて高位をなげうってあえて惜しまず)

かっこいいよ、晋作。
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タグ:歴史小説
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2013年03月01日

【解決!!】vistaでシャットダウンできない

今、感想かけそうな本読んでないので、別のことを書く。
先月のことであるが。
ネットを終えたので電源切ろうと思い、シャットダウンをしたのだが、なぜか最後の「シャットダウンしています…」の画面のまま電源がずっと切れない状態になった。そのときは仕方ないので強制終了させた。幸い次に立ち上げたときにはなんともなかったため、また同じくシャットダウンしたら、また電源が切れない。これはいかんなと思って、いろいろ調べてクリーンブートやらBIOS更新やら、システムの復元まで試してみたんだが、どうにも直らない。
いつも手動で強制終了させてるのはPCによくないし、こりゃ、再セットアップという最悪の事態を迎えてしまうのか?どうしたらよかろうと思案していて、とあるブログを思い出した。
それはいろいろ調べている最中に見かけたのだが、なんでも

“ユーザー切り替え画面からシャットダウンしたら直った”

という内容であったように思う。
いろいろやってる最中には歯牙にもかけなかったその情報、最悪の事態の前にダメモトでやってみるかと、
自分のユーザー画面をログオフしてユーザー切り替え画面を出し、そこからシャットダウンしたところ。

電源か切れた!!

やっほう。
それからしばらくは用心のためそういう手続きをして電源を切っていたが、数日前に試しに自分のユーザー画面から直接シャットダウンしてみたら、ちゃんと電源か切れて、完全に直ったようである。よかったよかった。

Vistaでシャットダウンできなくなったとき、いろいろやる前にまずこの一番簡単な方法を試してみるがよい、ってことで覚書。
タグ:Vista PC
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