2010年05月28日

戦中派動乱日記(昭和24.25)/戦中派復興日記(昭和26.27) 山田風太郎

『戦中派動乱日記』
昭和24、25年の日記。山田風太郎はインターンをやりながら作家活動をしている。この頃はいろいろと忙しかったのか、日記は作品執筆の覚書と読書メモが主で、たまに日常生活のこと、小説についての批評があるくらいなので1日で読み終わってしまった。これで2300円+税金は高いとみる向きもあるが、自分は日記4冊購入しているので、この年はあまり日記を書かなかったのだな、ということがわかりあまり気にならなかった。
ところで昭和25年4月29日に土曜会で忍術の話になったという記述がある。西湖氏という人がいくらか大道芸みたいに煙草を鼻からのんだり、手腕関節をはずすのを見せたりしたらしい。将来書いた忍法帖の着想がこの刹那おぼろげでも浮かんだかどうか、ちょっと知りたかったな。
戦中派動乱日記―昭和24年・昭和25年
戦中派動乱日記―昭和24年・昭和25年
小学館 2004-10
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『戦中派復興日記』
昭和26、27年の日記。作家活動にも余裕が出てきたのか日記のボリュームは再び盛り返してきた。この時代は世相のことや小説批評もさることながら、私生活での迷い、まあありていにいえば結婚について逡巡している様子が伺える。特に女性一般に対して手厳しい言説を結構書いていて、結婚するということに対してかなり神経を使っていたのだなと思う。それはそうと、この年代では高木彬光との交友が盛んでいろんなところに言ったり、お互い家を行き来している様子が書かれていた。そんな中で昭和26年9月13日に高木さんが精神病院へ入院するとかしないとかいう話を聞いて、ちょっと変だなと思い本人のところへいくくだりがある。なんと高木さんは愛人の妹に連日怒鳴り込まれ閉口して精神病院へ入院してしまおうと思ったのだとか。山風曰く「この着想そのものが一種の精神病ものといえばいえるのみ」乱歩氏曰く「高木は常識人のごとくみえて非常識なるところあり。山田は非常識のごとくみえて常識人なり。」 と記述。私爆笑。
戦中派復興日記―昭和26年 昭和27年
戦中派復興日記―昭和26年 昭和27年
小学館 2005-09
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おすすめ平均 star
star興味深い日記
star風と来たりて
star気鋭の作家に花二輪

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ラベル:日記
posted by てけすた at 13:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 本 (国内) 山田風太郎 | 更新情報をチェックする

2010年05月26日

アレクサンドル一世 アンリ・トロワイヤ

その顔は楽しさ、若々しさ―まるで十四、五のいたずらな少年を連想させるほど、無邪気な若々しさに輝いていたが、それでもやはりこの顔は神々しい皇帝の顔であった。
トルストイ『戦争と平和』第一部第3篇

『戦争と平和』におけるアレクサンドル一世の印象といえばナポレオンと友のように並んだ皇帝、そして容姿のよさが魅力的な皇帝というものだった。ひどく個性的なキャラクターは感じられず、この人がどのようにロシアを治めていたのか、それが少しばかりわからなかったのだが、この作品を読んで彼が「北国のスフィンクス」といわれるくらい謎めいた存在だったということを知り、あのとらえどころのなさはそこから起因しているのだったか、と思った。
エカテリーナの孫として、父を差し置いて祖母に期待された彼は容姿端麗、頭脳明晰にして優れた人物なのではあったのだが、性格的に繊細で不安定なところがあり、またその謎めいた存在となるべき二面性を有していた。
若い頃啓蒙主義にかぶれ、自由を叫んだ彼が晩年、神秘思想へ傾倒し全体主義圧政へと傾くのはそうした二面性から発しているということになるのだろうか?
とにかく、ナポレオンを敗走させ、ヨーロッパの覇者となったのはその二面性による複雑な彼のものの対し方にほかならないことは確かであろう。相反する主義の持ち主どちらにも良い顔をするのは彼が人に好かれることを望んだということもあるだろうが、あながちそれだけではなくて、少しは両方の考え方に共鳴してしまう性格だったのだろうかと思われる。
これは独立独歩の英雄たちとなんと違うことか。まさにナポレオンと好対照である。しかしだからこそ彼を一個の苦悩する人間として英雄譚とは違う文学的な読み方ができるのである。
「北国のスフィンクス」は死後もその生存説がささやかれたという。彼が生前隠者の生活を望んだような、そんな人物としての噂が。
アレクサンドル一世―ナポレオンを敗走させた男 (中公文庫BIBLIO)
アレクサンドル一世―ナポレオンを敗走させた男 (中公文庫BIBLIO)Henri Troyat

中央公論新社 2003-12
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おすすめ平均 star
star孤独なツァーリ

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ラベル:伝記
posted by てけすた at 13:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 本 (翻訳もの) | 更新情報をチェックする

2010年05月25日

カテゴリーのツリー化

ネット上でいろいろ検索をしていたところ、記事カテゴリーをツリー化する方法について書いてる人がいらっしゃった。
ツリー化は見た目が良いので早速取り入れてみちゃおうかな、などと支度にかかる。

参考にしたのはこちらのサイトさん。
Lc-Factory@Seesaaブログ:Lc.ツリーカテゴリー(for Seesaa)を配布です。

遣り方はリンク先記事にもあるとおり、デザイン>コンテンツを開いてカテゴリの数を100にセットして保存してから、同じくコンテンツHTML編集を開いて、そこに書いてあるソースを全部削除し、記事内にあるソースを貼り付けるだけ。
記事カテゴリを追加するときには、まずメインカテゴリー名、全角スペースでひとつ空けてからサブカテゴリー名を書くという風にしておく。
JavaScriptで最初アクセスしたときにはツリーが開いた状態で表示される。

これで少しずつカテゴリを整理してゆかなくては。
それにしても、本当のところ一番欲しいのがマルチカテゴリにする方法である。少し検索してみたが、該当する記事は見当たらない。
できないのかなあ。もう少し根気よく探してみるか。

2010年05月22日

義輝異聞―将軍の星 宮本昌孝

『剣豪将軍義輝』を気に入ったのでその外伝だというこの短篇集を読んだが、真にその余韻を楽しめる小説だった。
収録されてるのは、全部で7篇。うち4篇が義輝外伝である。
以下、収録作品の覚書。

「前髪公方」…堀越公方の貴公子茶々丸の行く末を描く作品。
「妄執の人」…足利義視の子義材の物語。彼は子ども時代のある屈辱から将軍職への執着が激しくなるのであった。
「紅楓子の恋」…軍師山本勘助の物語。彼はやがてある重荷を心に背負うことになるのだが。

次の4篇が義輝外伝
「義輝異聞 丹波の黒豆」…義輝が都落ちしたときのことの話。ある女性との出会い。
「義輝異聞 将軍の星」…古河公方の妻子が拉致されそうになったのを助ける義輝。その一騒動の話
「義輝異聞 遺恩」…義輝亡き後、弟覚慶を擁立しようともくろむ明智、細川たちのこと。
「義輝異聞 三好検校」…義輝弑逆時に関わった池田小三郎はその復讐があるのではないかとおびえるのだが。

最後の「三好検校」はちょっとばかり山田風太郎的な結末。
『海王』で出てきた人物の話もあって、これらを読むことでさらに小説内の理解が補完できた。

将軍の星―義輝異聞 (徳間文庫)
将軍の星―義輝異聞 (徳間文庫)
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おすすめ平均 star
starあぁ、また会うことができた
star剣豪将軍義輝ファンは読んでみて

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ラベル:歴史時代小説
posted by てけすた at 12:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 本 (国内) 小説 | 更新情報をチェックする

2010年05月21日

痴愚神礼賛 デシデリウス・エラスムス

今、私はこの記事のタグを「諷刺」としたのだけれども、この作品は諷刺がすべてではないと思う。
痴愚の女神がいかに人間たちに恩恵を与えているかということを民衆の前で彼女自身がとくとくと説教しているという巧妙な設定で、それは反語でもあるようだし、本当に礼賛しているかのようにも見えて、著者の意図するところがいくつもあるように思えるのである。
曰く、痴愚狂気は真実を語ることを許される。
曰く、賢人は臆病で不幸だが、愚か者はいつも幸せである。
曰く、賢人はしばしば避けられるが、道化はみんなの人気者である。
このあたりは、愚かなことがしばしば笑いを誘うことににて、いわば「笑い」の効能に近いものだろう。
さらに、各種文化人権力者聖職者の堕落した生活や賢いといわれる人の、複雑怪奇な思想を諷刺したりして、愚かさが彼らに幸せを与えているかということを述べている。
そして、それは既存の教会への批判ともなり、最後は信仰心に潜む狂気、すなわちエクスタシーの礼賛にまで繋がってゆくのである。
多分にギリシャ文化、キリスト教の考えが含まれてくるので、注釈があるといえども、なかなか理解するのは大変で、読みにくいことは確かであるのだが、本書の中にある機知は十分に堪能できて面白い。
エラスムスはユマニスト(人文主義者)だったというが、果たして、作られた教理による信仰よりも、個人の中にある情熱による信仰心が大切だということを痴愚の女神にことよせて書いたのだろうと思われるのであった。
痴愚神礼讃 (中公クラシックス)
痴愚神礼讃 (中公クラシックス)Desiderius Erasmus

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おすすめ平均 star
star愚かさからキリスト教へのアプローチ

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ラベル:諷刺
posted by てけすた at 08:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 本 (翻訳もの) | 更新情報をチェックする

2010年05月19日

海鳴り忍法帖 山田風太郎

一応、根来僧が出てきて超人的業、つまり忍法は出てくるのだが、忍法vs忍法、非情の戦いというのとはちょっと趣が異なり彼らが対峙するのは最新兵器だ。
ありていにいえば、忍法といういわば名人芸を最新兵器とぶつけることによって、山田風太郎がエッセイや日記で書いてるように、太平洋戦争での日本の名人芸と精神論に頼った戦い方を批評していると見えるのである。
おっと、しかし根来僧は主人公格ではなくて敵役。最新兵器を使用するのは主人公といっていい厨子丸側のほうだ。彼の天才的発明能力によって堺は松永弾正側と徹底抗戦する。
このあたり軍vs市民という図式も見えて面白い。
こういう場面を面白がるなんて、自分は結構戦争モノが好きなんだなと苦笑する。
そんなわけで信長の時代にふさわしく近代的な戦いを描いていて、他の忍法帖と趣が異なるというのはそのあたりなのである。
どちらかというと忍法帖というより、明治小説のほうに作風は似ているかもしれない。
それにしても松永弾正はほんとにワルよのう。
海鳴り忍法帖―山田風太郎傑作忍法帖 (KODANSHA NOVELS SPECIAL)
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ラベル:忍法帖
posted by てけすた at 20:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 本 (国内) 山田風太郎 | 更新情報をチェックする

2010年05月18日

Seesaaカスタマイズをまたぼちぼちと

前回までのカスタマイズ記事
久々にブログをカスタマイズ(CSS)
ブログカスタマイズ(html)

まあほぼいいかな、と思っていたカスタマイズだがネットを歩き回っているうちに、あ、これもやりたいなと思うカスタマイズを見つけた。
えのさんのブログとアフィリエイトとSEOの基礎知識:Seesaaブログでこのページのトップへをいれる
要するにページの一番下へいったときに、頭のほうへ戻るリンクをつくること。
リンク先の参考記事ではメインに自由形式コンテンツを挿入して書いたタグを入れるようにしているが、私はフッターに入れた。
<Div Class="tlink"><A Href="#">このページのトップへ ▲</A></Div>

あとはスタイルシートで自分のお好みにレイアウトするだけ。
私の書いたもの
/*ページトップへもどる*/
.tlink{
text-align:right;
font-size:12px;
padding:5px 5px 5px 10px;
}

いまだにきちんとした仕組みがわからないままの記述なのでわかるひとが見るとすごくおかしいかもしれないが、自分の覚書ということで。
ほほ、言い訳がおおいですな。

剣豪将軍義輝 宮本昌孝

久々に痛快な伝奇を読んだ気分になった。
室町将軍足利義輝を描いたこの小説、実に波乱万丈ドラマチックな展開なのである。
応仁の乱以降の公方は実力を失い、まわりに翻弄されるばかりである。そんな中で義輝はこの状態から脱却し戦乱の世を再び治めんとする。剣の才も人間としての器量も常人以上でしかも細やかな情ももっている。だが、そのために傀儡を望む家臣たちからは疎まれ、それが彼自身を危うくすることになるのだが、そんなことも十分承知な義輝だ。
自らの意思で動く将軍は諸国を放浪し、戦国時代の実力者たちと出会うところや、義輝が剣をふるって戦う場面にはほとんど夢中で読みすすんだものだ。鯉九郎に師事していた少年時代から最後まで、だんだんと剣術が上達していく様子がよく描かれていて、剣の高みに達するところなど、これぞ伝奇の醍醐味だ、とほとんど感動。
とはいえ、この小説あまり伝奇的な匂いがしないのも事実。一見普通の歴史エンタメ小説にも見える、その要因は義輝の異常さは剣技だけで、あとは実にバランスのとれた人格に描かれてるせいもあるかもしれないし、また鯉九郎がしばしば先が読めなくて苦難におちいるところとか人間くさくて、というのもあるかもしれないし。
ところで私は先に『海王』を読んでしまったのだけど、やはり順番は守ってこちらを先に読んでおけば『海王』をより理解できただろうと反省。

私は1冊本で読んだのだけど
剣豪将軍義輝
剣豪将軍義輝
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おすすめ平均 star
starエンジョイ&エキサイティング

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現在は分冊されて出版されている。
剣豪将軍義輝〈上〉
剣豪将軍義輝〈上〉
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剣豪将軍義輝〈下〉
剣豪将軍義輝〈下〉
徳間書店 2009-02
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ラベル:伝奇
posted by てけすた at 07:45| Comment(0) | TrackBack(1) | 本 (国内) 小説 | 更新情報をチェックする

2010年05月13日

水死 大江健三郎

死、あるいは死ぬことというのは誰のためにあるのだろうか?
人はその人にふさわしい死にかたをするという。だとすればその死は個人のものか。だが、殉死という言葉があるように誰かに捧げる死というものもある。
父の死に関して小説を書こうとする古義人。その仕事を進めてゆく過程で父の死が自分が考えていたのとまた違う風に考えている肉親のことを知る。
また、知り合った演劇人たちが行なう夏目漱石の「こころ」の芝居において、先生の死はなんだったのかということが小説内で書かれる。
それらの死を通じて私は国家、あるいは体制と個人の対立ということを考え、そして冒頭に述べたようなことを思ったのだった。
この体制と個人の対立は、さらに演劇人ウナイコの過去へと関わって問題が提起される。畢竟、死とは個人の集大成であって、生きてゆくことそのものだと思ってよい。であるから死が何に属するかということは一人ひとり個人の人生は何に属するのか、という問題提起に他ならないのである。
一方、そうした社会的な問題とは別に、古義人の「死」の問題が語られる。その問題は対社会的なものではなく、それこそ人生の集大成としての「死」の問題である。そして、中年を過ぎて老化が進んできたアカリの問題もオーバーラップする。
かようにこの小説ではさまざまな「死」について述べられているのである。
何かに属してそれに殉じたとしたことにしろ、結局は個人の人生を抜きにしては考えられないし、それは後に続くものの個人としての道を迷わせてしまうものなのではないかと、私個人的にはそう想う。
水死 (100周年書き下ろし)
水死 (100周年書き下ろし)
講談社 2009-12-15
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おすすめ平均 star
star大江先生の言いたいこととは・・・。
star新しい代表作?
star水死とは

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ラベル:物語
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2010年05月10日

人間ぎらい モリエール

正直というか潔癖というか、とにかく自分の思ったことは正直にいわないと気がすまない青年貴族アルセストはその性格が禍して訴訟も抱えている。こんな人物だからさぞかし立派な心根の女性を愛するのかと思いきや、小悪魔的性格のセリメーヌを愛するのだから人の心はわからないものだ。
そんなアルセストがセリメーヌの家で友人や他のライバルたちと会話する設定なのがこの『人間ぎらい』である。
アルセストの放つ人間評はなかなか痛快ではあるけれども、確かに憎まれるだろうなあ。極めて常識的な友人フィラントですら彼にかかると腸の腐った手合になってしまうのだから。
なにがそんなに彼を憤慨させるのかというと、礼儀として振舞うことすべてが諂いやお愛想に見えてしまって、実に不誠実にみえるらしいのだ。
そのあたりのことが面白い台詞まわしで表現されていて、笑わずにいられない。その憤慨している様が実に面白いのである。アルセストにしてみれば悲劇だろうが、読者にしてみればかなり喜劇的なのだ。とはいっても読者がアルセストの不幸を喜んでいるとかそういうことではない。
何事も極端に傾く人ほど興味深い人間に映るという意味での喜劇。
人間ぎらい (新潮文庫)
人間ぎらい (新潮文庫)内藤 濯

新潮社 1952-03
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おすすめ平均 star
starうすっぺらな孤高だなwww
star喜劇かつ悲劇
star辛口な作品がお好きな方へ

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ラベル:戯曲
posted by てけすた at 13:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 本 (翻訳もの) | 更新情報をチェックする

2010年05月09日

海王(上)(下) 宮本昌孝

何も考えずに読み始めてからちょっとしまったな、と思ったのはこの小説には先行する作品があるようだと気が付いたこと。
ハイワンという少年が足利義輝の遺児であって、義輝周辺の話が出てきたときに気が付いた。ところがさらに読んでいくと意外に補足説明が丁寧で先行作品を読まなくてもある程度話についていけそうだったので、そのまま読み進めた。
わりとオーソドックスなエンターテイメント、悪く言えばご都合主義がそこかしこに見えるのは否めない。主人公たちが危機に立たされる、そこへ助けが現れる、というパターンはドラえもんに出てくるライオン仮面みたいにベタ過ぎるなあ、などと思うのだが、わたくし、実はこういう展開は嫌いではない。何も考えずに痛快活劇を読むのは一種のストレス解消になるからな。
ただし、義輝の遺児が信長から秀吉の天下統一の途中まで関わっていくという内容なのでどうしてもてんこ盛りになってしまうのは仕方ないとしても、剣豪が登場する、忍びが登場する、幻術師が登場するで伝奇グッズのオンパレード。従って話の一つ一つがあまり細やかに扱われてなくて事後説明の部分がかなり多いのはちょっと残念なところではある。
とはいえ、伝奇好きとして結構面白く読めたので、そのうち義輝モノも読んでみたいと思う。
海王〈上〉
海王〈上〉
徳間書店 2009-01-21
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おすすめ平均 star
star気をつけてください。
star読む順番を間違えないで!!!
starハマらぬよう、油断めさるな

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海王〈下〉
海王〈下〉
徳間書店 2009-01-21
売り上げランキング : 200504


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ラベル:伝奇
posted by てけすた at 21:08| Comment(0) | TrackBack(2) | 本 (国内) 小説 | 更新情報をチェックする

2010年05月08日

ブログカスタマイズ(html)

デザインのことは昨日の記事の通り。デザインも変えたついでに中身もカスタマイズしてやろうと検索して見つけたサイトを参考に、以下6点についての変更を行なった。
  • タイトル表示を最適化する
  • METAタグdescriptionの最適化
  • 記事の個別編集を可能にする
  • カテゴリー内の新着記事をリストアップ表示
  • 見出しタグの最適化
  • トピックパス(ぱんくずリスト)の作成

以下、参考記事のリンクをそれぞれはっておくので、詳しいカスタマイズ方法はそちらを参照に。

タイトル表示を最適化する

参考記事 Designworks:seesaa カスタマイズ-タイトル表示を最適化する方法
seesaaではどんな記事でも"ブログタイトル:記事タイトル"の形になってるので、この順番を"記事タイトル:ブログタイトル"とした。

METAタグdescriptionの最適化

参考記事 Designworks:Seesaa カスタマイズ-METAタグ「description」の最適化
descriptionとは検索の際、サイトの説明文とされる部分だがseesaaではどんな記事でも「ブログ設定のブログ説明欄」に入れた文章になってしまうそうなので、これを「記事のタイトル(カテゴリページではカテゴリタイトル)+ブログ説明+ブログタイトル」に直す。

記事の個別編集を可能にする

参考記事 Designworks:seesaa カスタマイズ-記事個別編集を可能にする。
seesaaではブログ記事から直接編集画面へ飛ぶことができないので、これを追加。記事一番下の投稿者やコメントなどの情報がある行に表示させている。

カテゴリー内の新着記事をリストアップ表示

参考記事 Designworks:seesaa カスタマイズ カテゴリー内の新着記事をリストアップ
各カテゴリーのページの先頭に、カテゴリー新着記事一覧リンクを表示させる。タイトルが一目でわかるので見やすい。

見出しタグの最適化

参考記事 Designworks:適切な見出しタグをつけてSEO対策
seesaaではなぜか記事日付がh2、記事タイトルがh3に設定されてる。日付のhタグをはずし、記事タイトルをh2になるように変更。
これは変更したあとCSSも変更を加えておかないと表示がおかしくなるので注意。本来h2{}内だった内容をdata{}内へ移動、「h3」のタグを「h2」に変更すること。

トピックパス(ぱんくずリスト)の作成

参考記事 ブログカスタマイズ:トピックパス(パンくずリスト)の作成2
TOP>カテゴリー(過去ログ)>記事名 という表示をさせるのだが、先ほどカテゴリ新着一覧のリストアップ表示を行なった際に、そのページではカテゴリ名が頭に表示されてるので、この表示は個別記事と過去ログページだけにつけることにした。
従って、参考記事にあるように一括で行なうのではなく、
<% if:page_name eq 'article' -%>(記事設定部分)
         ▼
(<% /if -%>の一つ上にタグ記入)
<% /if -%>

<% if:archive_page_name eq 'month' -%>(過去ログ設定部分)
         ▼
(<% /if -%>の一つ上にタグ記入)
<% /if -%>

というように別々に設定した。

2010年05月07日

久々にブログをカスタマイズ(CSS)

ここしばらくはあまり情熱もなくて、seesaaのテンプレをそのまま使っていたりしたが、3カラムを使い出してからどうもすっきりしないので、久々にカスタマイズをした。
覚書として記事にしておく。今回はスタイルシート。
seesaa規定のテンプレに好ましいのが見つからなかったので、ネット上で探してきた。

小粋空間:Seesaaブログテンプレート

こちらのテンプレートは1つだけだが、htmlの一行を書き換えるだけでカラムの変更ができる。
私はそのままデフォルトの3カラムを利用した。
ここのテンプレートはhtmlとスタイルシートの2種類。これをコピペして、htmlは デザイン>HTMLへいって、新しい項目を追加、そこに貼り付ける。スタイルシートは デザイン>デザイン一覧から3カラムのテンプレを適当に一つ追加して、そのCSSを消して、コピペしてきたものを貼り付ける。
あとは自分の好きなように変更をするだけ。
picture.jpg
変えた所はヘッダーの高さを広げて画像を入れたことと、ブログタイトルのフォントを変えたこと、記事の見出しにボタン画像を入れたことくらいしかやってないので、たいして手を加えてはいない。
ヘッダーについては赤い部分を挿入しただけ。
/* タイトルバナー */
#banner {
Height:120px;
padding: 15px;
border-bottom: 1px solid #666699;
color: #999999;
background: #8fabbe;
background-position: right top;
background-repeat: no-repeat;
background-image: url("画像のurl");
text-align: left;

}

#banner a,
#banner a:link,
#banner a:visited {
color: #ffffff;
font-size: 28px;
font-family:HGP創英角ポップ体,fantasy;
text-decoration: none;
}
#banner a:hover {}
#banner a:active {}


エントリータイトルについてはタイトル文字の指定部分にボタン画像のurlを背景として指定し、あと文字が重ならないようにpaddingを決めた。

デザインが決まったところで、内容の細かいカスタマイズも行なったのだが、それは次回に。
ラベル:CSS Seesaa

2010年05月05日

夢と死―死の間際に見る夢の分析 M-L・フォン・フランツ

ユングの心理学は人生の後半、生きる意味を見出せなくなった人々に対してその意味を新たに見出すような内容であるというふうな理解を私はしていた。しかし、さらにその意味を突き詰めてゆくと、究極、死というものをその人生の意味に含めるということにもなる。
本著は死の間際にある人々がみた夢の内容を錬金術やエジプト死者の儀式、あるいは超心理学の立場からも比較しているのだが、フランツはこうした比較分析を行なって、夢はまるで死後にも生活が続くかのように振舞っている、としている。
死後の生はあるのかないのか。ユングはしばしば自分自身の個人的生命はリゾーム(地下の根の働き、菌の場合よく分る)から出てくるように出てきたので地上的には消えてしまったようにみえても、深いところでは別の生命が生き続けてきる、と語っていたということだ。(P169)
だとすれば、その形態は変われども一貫した何かがあるということなのかもしれない。
ところで、私はこの本を読んでいて人間は死ぬとき、ある程度予感できるのか、扱った夢がたまたまそうであったのか、ということを考えた。私としては見た夢が解釈できないだけであって、実は死ぬことへの予感ができるのではないかと思っている。いや、予感というよりはまだ生きるつもりの人間の自我に対して引導を渡す役割を無意識が夢などを通じて果たしているといったほうがいいかもしれない。
死後の生を物理的に考えるのは自分としては抵抗がある。だが、死ぬ最後の最後の瞬間に、人は一瞬かつ永遠であるイメージを見るのかもしれない。
夢と死―死の間際に見る夢の分析
夢と死―死の間際に見る夢の分析氏原 寛

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ラベル:心理学
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2010年05月02日

忍者六道銭/死なない剣豪 山田風太郎

山田風太郎まとめて2冊。

『忍者六道銭』
ちくま文庫山田風太郎忍法帖短篇全集10の覚書

「忍者六道銭」…享保の時代戸田家に忍びの者で筑摩一族というのがあった。戸田の殿様は忍びの技を見学することになるが、そこには殿の妹がいて、忍びの技を披露した2人の忍者に頼みごとをするのであった。
「忍者死籤」…頭の婿取りを兼ねて、誰も帰ってこない任地へ赴かせるために籤を引くことになった6人の者たち。
「くノ一地獄変」…服部半蔵は3人のくノ一をつれて来た。そして主人公格の3人の忍びに「女をわからせてやろう」といって一組ずつ蔵へ入らせるが。
「くノ一紅騎兵」…直江山城守は傾城屋で談合していた侍たちから一人の人間を紹介される。その人物は女にまがうほどだったが男性のしるしをもっていた。
「天明の判官」…平賀源内は曲淵甲斐守にいわゆる推理小説の案を話している。世はやがて田沼時代になる。そんな時代、田沼を巻き込む奇怪な事件が起こった。
「天明の隠密」…白河へ帰ってきた天羽周助は宿で飴売りが一人の女性を狼藉しようとしているのを見かけ助けた。その女性は白河領内の武家の娘らしい。彼は家に帰って彼女をしばらくそこに置いてやることになったのだが。
「大いなる伊賀者」…兵原塾の下斗米はある計略を持っていた。そのために師にも詳しいことは語らずに行動していたのだが、師はそれとなく彼のやろうとしていることを感づく。さて、下斗米はどうなったか。

巻末ボーナスには「TV忍法帖」というエッセイが収録。当時活躍していたタレントを忍法に例えるというなんだかトホホな企画。女性週刊誌だからなあ。昭和34年に書かれたこのエッセイ、当時の忍法ブームが伺いしれる。それにしても、これを収録されて、山風先生は草葉の陰でどう思っているのやら。
忍者六道銭―山田風太郎忍法帖短篇全集〈10〉 (ちくま文庫)
忍者六道銭―山田風太郎忍法帖短篇全集〈10〉 (ちくま文庫)
筑摩書房 2005-01
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『死なない剣豪』
廣済堂文庫山田風太郎傑作大全17の覚書

「降倭変」…関白秀次に許婚を奪われた柳川左近は唐虱の群へ入る。彼らは朝鮮で「降倭」と呼ばれた。その脱走した日本の侍たちを軸にした朝鮮出兵の話。
「幽霊船棺桶丸」…台湾近郊に幽霊船が出るという噂がある。フランスの船はそれを一笑して出港するが。
「お玄関拝借」…新手のたかりお玄関拝借の話。
「国貞源氏」…歌川国貞に春画を以来してきた武士と国貞のこと。
「慶長大食漢」…3代目茶屋四郎次郎は大変なグルメだった。家康は彼のことをあまり快く思わなかったが。
「死なない剣豪」…小野家にいる不思議な老人のことを聞きつけ、柳生十兵衛はその老人が伊藤一刀斎ではないかと疑い、小野家へ出かける。
「お江戸英雄坂」…英雄になりたい赤嶽大次郎は江戸で心酔する人物に出会う。彼らを巡る話。

最初の4篇は他の本で既読。
「お江戸英雄坂」では兵原塾のことが出てくる。偶然にも登場人物が重なる「大いなる伊賀者」を読んだばかりだったので、下斗米の行動が違う観点から書かれていて興味深かった。
死なない剣豪 (広済堂文庫―山田風太郎傑作大全)
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廣済堂出版 1997-10
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posted by てけすた at 13:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 本 (国内) 山田風太郎 | 更新情報をチェックする