2010年01月31日

笑い陰陽師 山田風太郎

本日2本目。なぜいつもなら1つにするのに今日は分けたかというと、モーリスセンダックの「かいじゅうたちのいるところ」と山田風太郎の「笑い陰陽師」ではあまりにも乖離しすぎだろう、ということで。

この作品は山風が最高傑作と自負している忍法帖だ。いったいそんなに絶賛する忍法帖とは?と期待して読んだら、やられた。
まだ忍法帖全部は読んでないが、馬鹿馬鹿しさの点でおそらく一、二を争うだろう。
果心堂という占い師とその妻お狛。彼らは依頼人の悩みを聞いてそれを解決しようとする連作ものなのであるが、なんとこの連作すべてが下ネタだし、彼ら夫婦といえば忍者なのである。登場人物からして時代は幕末近いころだろう。今までの忍法帖といえばなんらかの密命や忍者同士の意地など、まだ強い動機のようなものはあったが、それはそれすら見受けられない。忍法帖そのものが無意味な話を書きたかったという山風からすればこれが最高傑作と評するのもうなづけるのであった。
笑い陰陽師 (講談社ノベルススペシャル―山田風太郎傑作忍法帖)
笑い陰陽師 (講談社ノベルススペシャル―山田風太郎傑作忍法帖)
講談社 1994-06
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おすすめ平均 star
star馬鹿馬鹿しくて……星五つ
star忍法帖に慣れてから読むべし
star作者最大のお気に入り

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ラベル:忍法帖
posted by てけすた at 13:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 本 (国内) 山田風太郎 | 更新情報をチェックする

かいじゅうたちのいるところ モーリス・センダック

読書メーターにも書いたんだが、この話は主人公が子どもなのでかいじゅうたちもおどるだけで済んでいる。これが大人だったらこの程度じゃすまないぞ、きっと。
そんなもんで大人たちはかいじゅうたちのいるところへは行かないのでした。(終)
映画は見ておらんが。
かいじゅうたちのいるところ
かいじゅうたちのいるところじんぐう てるお

冨山房 1975-01
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おすすめ平均 star
star冒険心を育む絵本
star読み聞かせに最高の一冊です。
star子供と読むには最高です

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ラベル:絵本
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2010年01月30日

死者の書・身毒丸 折口信夫

この文庫本には3篇収録されている。
「死者の書」…葬られた大津皇子とそれから百年後の藤原南家郎女に起こった時空を超える魂の交流を描く。
「山越しの阿弥陀像の画因」…「山越しの阿弥陀像」という画についての随筆。ここに「死者の書」執筆についての説明がある。
「身毒丸」…説教節「しんとく丸」を原始の形に戻したというあとがきありの小説。

悲しい哉、日本の民俗芸能にうとい私はどちらも元となる話をよく知らない。なのでそれを度外視しての感想になる。
「死者の書」は冒頭の皇子が目覚める部分、郎女の神隠しとその素性、大伴家持が都で聞く話、など複数の出来事が平行して進んでゆく。これは全くの異世界の大津皇子、異世界とこの世の境にいる郎女、現世にいる大伴家持という構図になってるのかな?家持のきく話はもっぱら郎女が現世でどのように見られてるか、ということであり、大津皇子は郎女を昔の親しい女性のように見ている。ところで一番わからんのは郎女である。彼女がどのように見られて、何をしたかということは書かれているが、彼女が何を思ったのかはついぞわからないままだ。この小説で読者からみて一番の他者は郎女なのかもしれないな、とも思う。そして、境界とはしばしば一番わけのわからないものに見えるものだ。
この「死者の書」がどう生まれたのか、ということが次の「山越しの阿弥陀像の画因」という随筆に書かれている。この随筆の主旨は仏教が日本的なものに転換されてるこの画について古来からあった日想観と仏が結びついたものだといったことのようである。
「身毒丸」は説教節の内容を知らないのであるが、解説を読む限りでは設定が幾分か違っているようである。ここで際立つのは身毒丸が美しい少年であること、師匠がそれを惜しんで髪をおろさせないところ、ちょっと耽美系である。
死者の書・身毒丸 (中公文庫)
死者の書・身毒丸 (中公文庫)
中央公論新社 1999-06
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おすすめ平均 star
star読みづらいと思われた方へ
starメディア
star能を観ている様な幽玄な世界だが...

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ラベル:民俗
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2010年01月29日

戦艦陸奥 山田風太郎

光文社山田風太郎ミステリー傑作選5、覚書

「戦艦陸奥」親の因縁と子どもの恋愛と。
「潜艦呂号99浮上せず」新興宗教の予言のこと、果たしてそれは?
「最後の晩餐」ある女給を尾行する刑事。その目的は。
「裸の島」撃沈された船からからがら小さな島へたどり着いた兵隊たちとその島に住む夫婦のこと
「女の島」撃沈された船からからがら小さな島へたどり着いた看護婦慰安婦兵隊たちのこと。
「魔島」ジャングルと山でなにもわからない島へ投げ出された兵隊たち。彼らがそこで見つけたものとは。
「腐爛の神話」あるパンパンガールを病院へつれてきた若い警官。それには理由があった。
「さようなら」昭和30年とある新興住宅地で起きたペスト騒ぎ。
「狂風図」終戦間際の学生たち、その活動と恋愛。
「黒衣の聖母」戦死した人の子をもつ娼婦。清純さと淫猥さの2面性をもつ彼女に主人公は。
「太陽黒点」あの戦争から十年以上の月日が経過して、若者たちは青春を謳歌していた。そして戦犯として服役した男の存在。誰カガ罰セラレネバナラヌ。

以上、戦争関係の小説を集めた本。この小説たちを読んでいると自分の悩みなどたいしたことはないものだと思ってしまう。「太陽黒点」で戦中派のある人物がその上下の世代に対して恨みを述べるくだりがあるのだが、青春を奪われた世代にしてみればまさに自分たちは貧乏くじなのであり、しかも戦後のあの状況を見るに一体自分と同世代の人間たちがあれだけ死んでいったのはなんだったのだろうということになるのだろう。ああ理不尽。
戦艦陸奥 戦争篇―山田風太郎ミステリー傑作選〈5〉 (光文社文庫)
戦艦陸奥 戦争篇―山田風太郎ミステリー傑作選〈5〉 (光文社文庫)
光文社 2001-09
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おすすめ平均 star
star太陽黒点

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ラベル:戦争 ミステリー
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2010年01月28日

翼ある蛇(上)(下) D.H.ロレンス

白人社会にとってアメリカ大陸の土着民文化は遠い遠いものに映るのだろうと思う。それは嫌悪か憧憬か?
アイルランド人ケイトはアメリカ人の従兄弟とともにメキシコに滞在している。闘牛を見ることになったのだが、その野蛮さや残酷さに耐えられない。闘牛に限らず、この地の暗黒面に重圧を感じた彼女は早くこの地を立ち去りたいと思っていたのに、「ケツァコアトル」の記事を新聞で何気なく読んでからなぜかもう少しメキシコにいようかと思い始め、従兄弟がアメリカへ帰ってから、湖のそばで滞在しはじめたのであった。
四十歳の彼女がそれまでの生活に行き詰まりを感じてメキシコへやってきて見たものは、白人が持ち込んだ神を立ち去らせ、この地の古い神を復活させる活動であった。この活動に彼女は巻き込まれてゆく。
土地の古い神を復活させることは土着民ならず、ヨーロッパの魂にも新しい生命力を与えるだろうか?ドン・ラモンはそう思っていたようである。しかし、その活動は白人の価値観からみればメキシコを掌握する野心か、さもなければ狂気に駆られての行動にしか見えない。特に宗教なんてものはそれでなくても組織化すれば一種の権力になる。その危うさ。だからこそ暗殺未遂事件が起こったりなんかするのだ。しかし、ロレンスは、人間が古い自分をすて新しく己の道を行こうとするときは、このドン・ラモンのように険しいところをゆかなくてはならないのではないだろうか、と訴えてるかのようでもある。神秘的な儀式や讃詩がちりばめられた場面は呪術的で見せ場でもあるのだが、それよりもなによりも、彼の不屈の精神、そしてケイトの最後まで迷い引き裂かれる思いが印象に残った。
翼ある蛇 全2巻セット
翼ある蛇 全2巻セット
角川グループパブリッシング 1990-10
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おすすめ平均 star
star異色の中南米物

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ラベル:異世界
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2010年01月25日

山田風太郎2冊 戦中派闇市日記(昭和22.23)/忍法関ヶ原(ちくま文庫)

『戦中派闇市日記』
昭和22.23年の日記。22年に彼は作家としてのスタートを切る。医学生との二束のわらじで、日記には執筆作業と医学勉強、読書メモが主である。
相変わらず辛い生活は続いているが、21年の日記に比べると生活上の記述が減る。執筆活動ができたので日記を書く時間が減ったということなのかもしれないし、22年にはこんな記述も見受けられる。
生活のことはあんまり憂鬱で馬鹿馬鹿しくて日記に書く気もせぬが、…(22年5月27日)

間に政治社会批判、職業意識からの同業者への作品批判あり。しかし驚いたのは恐るべきインフレーションである。例えばこの2年で学費が3~4倍に跳ね上がってるのを見たときには、ほんとにこの時代の人はどうやって暮らしていたのか、ちょっと想像を絶した。物不足も深刻。
戦中派闇市日記―昭和22年・昭和23年
戦中派闇市日記―昭和22年・昭和23年
小学館 2003-05
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『忍法関ヶ原』
ちくま文庫山田風太郎忍法帖短篇全集7
以前、文春文庫で読んだので以下の既読のものは斜め読みであらすじ確認。
「忍法関ヶ原」「忍法天草灘」「忍法甲州路」「忍法小塚ッ原」
ちくま文庫オリジナルにはさらに「忍法と剣のふるさと」というタイトルのエッセイ収録。伊賀と柳生のふるさとへいった山風の現地ルポといった感じ。
以上、文庫本覚書。
忍法関ヶ原―山田風太郎忍法帖短篇全集〈7〉 (ちくま文庫)
忍法関ヶ原―山田風太郎忍法帖短篇全集〈7〉 (ちくま文庫)
筑摩書房 2004-10
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ラベル:日記 忍法帖
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2010年01月24日

ジャングルめがね 筒井康隆

この絵本はどういうわけか、縁がなくてずっと読むことがなかった。
今回新しい絵で復刊したということなのでさっそく購入。うん、ちょっと感動した。
内容は人が動物に見える不思議なメガネの話なのだが、人が動物に喩えられるということはよくあることだ。それを拡大して、さらに想像力に力を与える展開に心が躍るファンタジーとなっている。
ああ、こういう絵本を子どもの頃に読んでいたら本の面白さを知って若い頃から本を読んでたかもしれんなあ、としみじみ。
ジャングルめがね (すきすきレインボー)
ジャングルめがね (すきすきレインボー)にしむら あつこ

小学館 2010-01-20
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ラベル:絵本
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2010年01月23日

戦中派焼け跡日記(昭和21年) 山田風太郎

山田風太郎祭りと化してるこの頃の読書。
本日は『戦中派焼け跡日記』でござい。
昭和21年の日記をまとめた本。終戦後、混乱はますますひどくなり、進駐軍の占領を初めとして、配給の遅配、新円切り替えのための預金封鎖、デモ、など読んでいるとこれは戦争中のときよりひどいかも、と思ってしまうような生活である。
それでも戦争が終り希望はあった?
よく、私は戦後のことに関してそんな言葉を聞き、また自分もその時代を知らないから、そうなのだろうと思っていた。
だが、山田誠也青年の裡にあったのは、屈辱感と復讐心、そして虚無感なのであった。
そして、彼はこの復讐心は彼自身だけではないという意味のことを書いている。
ここから、思うに、昭和30年代に起こった高度成長とは、彼らが働き盛りになったときに、兵士ではなく、いわゆる企業戦士として世界へ対抗せんがために一生懸命働いた1つの現象なのではあるまいか?
どこで読んだか失念したが、山田風太郎は「日本は明治に富国強兵の強兵をやり、戦後今度は富国をやったのではないか」というようなことを書いていたんだが、この日記を読んで、彼がそう書いた理由を少し知ったような気がした。

まあ、それと共産党はなんでも保守の反対をするというところはかわらんな。今護憲護憲といってるが、昭和21年、新憲法のことを「マッカーサー司令部に置いて作製せられたるものを幣原内閣が翻訳せるに過ぎず。即ち植民地の憲法奴隷国の憲法なり。されど日本は独立国なり、一個の独立国民としてかくのごとく外国の手により強要せられたる憲法を易々として黙して受くるは実に日本人の永劫消ゆべからざる恥辱なり」とかいったらしい。
まあ、批判勢力があるというのも大切なんですけどね。
戦中派焼け跡日記―昭和21年
戦中派焼け跡日記―昭和21年
小学館 2002-07
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おすすめ平均 star
star憲法、天皇制を今考えるためにも今読みたい

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ラベル:日記
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2010年01月22日

くノ一死ににゆく 山田風太郎

ちくま文庫山田風太郎忍法帖短篇全集4覚書
収録作品は以下の通り
「捧げつつ試合」公儀隠密の身分がばれた仲間に託されたものをもって逃げるくノ一
「濡れ仏試合」剣術指南役の小野家の娘が柳沢の養女にと望まれるが、父親が断ったために、陰謀が計画される。
「逆艪試合」小野家にやってきた道場破りをめぐる話。
「膜試合」大岡越前守に呼び出された伊賀の頭領。あることを詰問されて答えたのは。
「かまきり試合」今までみていた男の印象が変わり、好意をもつ女性、だが男性は実は。
「麺棒試合」なんと平賀源内の思いつきで伊賀と甲賀に婚姻話が持ち上がる。
「つばくろ試合」ほろんだ明から使者がやってくる。それが本物かどうか見分けるよう柳生連也が使命される。
「摸牌試合」駿河を所望した結城秀康は家康に拒否されて戻る。家康は忍びを呼び彼を監視するように伝える。その忍びが秀康に呪術を施した、といって帰ってきたのだが。

巻末には絵物語「忍者石川五右衛門」が掲載。画は矢野徳。

くノ一が死地へ赴く作品ばかりでもないが、全作品に女性が命を賭けて行動にでるシーンが盛り込まれていて、まさに「死ににゆく」といったおももちではある。山風の小説に出てくる女性はひたむきな人が多いが、この短篇集はことにその傾向が強い。だからこそ本にこういうタイトルをつけたのだろう。
「摸牌試合」の最後にはずっこける。いや、期待はずれとかそういう意味じゃなくて、あまりにもばかばかしいので。
山田風太郎忍法帖短篇全集4 (ちくま文庫)
山田風太郎忍法帖短篇全集4 (ちくま文庫)日下 三蔵

筑摩書房 2004-07-08
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おすすめ平均 star
starやはり上手い!
star哀切な話からユーモア、ナンセンスまで

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ラベル:忍法帖
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2010年01月21日

棺の中の悦楽 山田風太郎

光文社文庫、山田風太郎ミステリー傑作選4
本書収録作品の覚書です。

「女死刑囚」女死刑囚の刑執行までを描く。なぜ彼女はそうなってしまったのか?
「30人の3時間」飛行機の無線が壊れ、空中旋回を続ける旅客機。残り燃料はあと3時間分。
「新かぐや姫」大切なものを失い絶望した男と、清らかな病める女性と。
「赤い蠟人形」少女小説雑誌の編集者がスリに遭ったことから話は意外な展開へ
「わが愛しの妻よ」性被害にあった妻をめぐる夫の戦いとその行方
「誰も私を愛さない」終戦直後の混乱の中で提案したとんでもない共有から端を発する物語。
「祭壇」癌を告知された女給が心中相手を探す。
「二人」博士夫婦と隣に住む兄妹。ある日博士は妹の意外な実態を知ることに。
「棺の中の悦楽」最愛の女性が他の男性と結婚してしまった。彼はかつて彼女のために殺人をしている。そして偶然それをみた横領官吏が彼に1500万円の保管を頼むのだが、絶望した彼はその預かった金を女に使い果たして死のうと、愛人契約する女性を探し始める。

「わが愛しの妻よ」は既読。この4集では結末が凄惨なものを集めたという。その心理描写の闇と結末にはかなり強いインパクトがある。今までこの傑作選は5冊読んだが、どこへ話が導かれるのか興味がわくという点でいまのところこれが一番だった。といってもまだあと5冊あるので、今のところの話。
そして、属性の逆転、とそれにともなうアイロニーが非常に効いてて、うまいものだ、と唸る。
棺の中の悦楽 悽愴篇―山田風太郎ミステリー傑作選〈4〉 (光文社文庫)
棺の中の悦楽 悽愴篇―山田風太郎ミステリー傑作選〈4〉 (光文社文庫)
光文社 2001-07
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おすすめ平均 star
starうまいもんだ!

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ラベル:ミステリー
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2010年01月20日

忍法八犬伝 山田風太郎

大著『南総里見八犬伝』を読み終えた余韻が冷めないうちに、山田風太郎の『忍法八犬伝』を読む。この本はずっと積ん読状態で、読もうと思えば読めたのだが、是が非でも原典を読んでから読もうと考えていた。で、ようやく読むことができたわけである。
話はいつものごとく、トーナメントバトル。里見家に伝わる"忠孝悌仁義礼智信"の文字がそれぞれ入った8つの「伏姫の珠」が"淫戯乱盗狂惑悦弄"の文字の珠とすりかえられてしまう。やったのは本多佐渡守の意を受けた伊賀者。これを取り返すべく、里美家の八犬士の末孫が立ち上がる、というもの。
この末孫たちなんだが、家老となっていてがちがちの道徳家であり、里見の殿様もうんざりするくらい。このあたり、原典を読んだあとではかの八犬士たちを揶揄してるようで笑える。で、殿様というのがあまりきちんとした人じゃなくて、この家老たちを煙たがっているが、家老の息子たちとは意気投合してるらしい。というのも息子たちがまたろくでもないみたいなのだよね。それでと遠国へ修行させにいかせたのが3年前。そして今回の騒ぎ。家老八犬士たちは自分たちの失策を悟り、詰め腹して息子たちにあとの始末を頼むんだけど…
本家八犬士たちと比べて、この末孫たちの体たらくを笑うのもまた一興ではあるが、原典を知らなくても、このろくでなし八犬士が、実は世間からつまはじきされてるような生活者の、権力に対する逆襲と見ると、また面白いのだ。もちろん、彼らは権力そのものへの反抗ではなく、別の理由から戦いに挑むだけのことなのではあるけど、なんといっても、戦いに赴くときに漂う哀愁が慕わしい。やせても枯れても彼らはやはり末孫のことだけはあるな。

私が読んだのは講談社ノベルスで絶版。
忍法八犬伝―山田風太郎傑作忍法帖 (KODANSHA NOVELS SPECIAL)
忍法八犬伝―山田風太郎傑作忍法帖 (KODANSHA NOVELS SPECIAL)
講談社 1996-02
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現在は講談社文庫で。
忍法八犬伝―山田風太郎忍法帖〈4〉 (講談社文庫)
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講談社 1999-02
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おすすめ平均 star
star忍法帳シリーズでは名作
star最後の一行のために
star「八犬伝パロディ」として読むか、山田風太郎として読むか。

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ラベル:忍法帖
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2010年01月19日

南総里見八犬伝(十) 曲亭馬琴

岩波文庫版『南総里見八犬伝』いよいよ最終10巻目です。
177回から180回プラス回外剰筆。巻末に幸田露伴と内田魯庵の八犬伝に関する小文つき。
前の巻で道節が助友と戦いだしたが、その続きから。結局、その戦いの間に定正は逃げるが伏兵に捕まってしまう。
そんな調子で里見側は次々と城を占領して、捕虜多数。管領側の負けに終る。
で、戦後処理が始まるのだが、これがまた都合よく照文が京にいってて気を利かせてとりなしを頼むんだな。で、無事和睦したのち、八犬士と里見家のその後が描かれる。まあ、この巻はほとんど大団円に向けての記述ばかりなので、ちょっと退屈といえば退屈。エンディングがこんなに長くてよいのか、といった面持ちではあるが、やっぱりこんなに長く続いてきたから当時の人は結構楽しんだかな?
回外剰筆では目が悪くなったためにこの巻のほとんどにあたる部分が息子の嫁による代筆になったいうことを明かしている。加えてまた例のごとく版元のやり口(昔の作品を今の年に変えて売り出す)に苦言。まあ、人気作家は大変です。

巻末、幸田露伴の文は、八犬伝の人物像と当時の社会についての講演をまとめたもの。荒唐無稽に思える八犬士たちが当時の人々の「胸中」にあった人物像だ、ということを述べて、こういった虚構の話の本質を指摘している。明治時代には八犬伝は酷評されてたというのをどこかで読んだが、それは当時の新しい文学がリアリズムを目ざしていたからという時代背景があるのだろう。さらに時代は移り、リアリズムだけでない文学が当たり前になってきている現代では再評価されるのもわかる。

もう1つ内田魯庵の文は「ここが変だよ八犬伝」ではないけれど、私も突っ込みたくなったような箇所を突っ込んでくれてる。鉄砲のこととかw。
南総里見八犬伝〈10〉 (岩波文庫)
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starいいですよ!

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2010年01月17日

南総里見八犬伝(九) 曲亭馬琴

岩波文庫版『南総里見八犬伝』9巻目
154回から176回まで。
毛野は先手を打って相手方に仕掛をしておいた。その役割に大角とヽ大法師が出かけたことは前の巻に見える。その仕掛は図に当たり、扇谷、山内側はみごとに引っかかった。
さて、戦場は3箇所、洲崎での水戦、行徳、国府台での2箇所の陸戦で、ここに犬江、犬村を除く6犬士たちが防禦使としてそれぞれ持ち場へ赴いて戦いが始まる。
松岡正剛の千夜千冊『南総里見八犬伝』というページでは鴎外がこの話を聖書に喩えたということを書いてるが、なるほど、聖書とはなかなかうまいたとえだな、と思った。
特に、この管領対里見の戦いにおいては、「まいた種はことごとく刈り取らん」じゃないけれど、仇敵、旧恩の全てに報わせるためなのか、馬琴先生は対峙する敵味方、実に緻密な配置をして物語を進めている。そして正義側にたつ里見のキーワードは『仁』。これに基づき八犬士たちも行動するのだ。ああ、まさに勧善懲悪とスローガンは宗教的なのだ。
まあ、馬琴先生も唐国の書物に触れることのない婦幼のために書いてる部分もあるということを書いてたし、道徳教育と言う意図はあったのだろうね。
ところで、面白さですが、聖書を物語として面白く読めるなら、この9巻のくだりもその塩梅で面白く読むことができると思う。権力をもってしてではないけど、悪を懲らしめる水戸黄門好きでも可。で、私も根が単純なので、結構そういう話は好き。
南総里見八犬伝〈9〉 (岩波文庫)
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岩波書店 1990-07
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2010年01月14日

南総里見八犬伝(八) 曲亭馬琴

岩波文庫版『南総里見八犬伝』8巻目。
136回~156回まで。(あらすじ長文になってしまいました)
犬江親兵衛が管領細川政元のところに単身留め置かれることになったのは前回までの通り。
この背景には、あの悪僧徳用が政元と乳兄弟であったことから、徳用が讒言に一応耳を傾けた、ということがある。とはいえ親兵衛があの通りの神童ぶりなので、丁重なもてなしをしている。
で、仁は京の五虎といわれる5人の武芸者+徳用と腕試しを行なうことになるが、これはまあ、読者の予想通り。
ここで、話は一度別なところへ飛ぶ。政元のもとに瞳無しの虎の掛け軸が持ち込まれるのだが、その持ち込まれるまでの話が語られている。政元はこの掛け軸の話に疑念をもって瞳のない虎の絵に瞳を描かせたところ、虎が飛び出してさあ、大変。瞳を入れた絵師をかみ殺して山へ逃亡。それから京は大騒ぎになって、前に親兵衛と戦った武芸者のうちの四人が虎退治を仰せつかるが、彼らは山には入らず、京と山を隔ててる川に留まって警護するといって、京童たちに皮肉を言われたりする。
で、いつまでたってもらちが開かず、とうとう親兵衛が虎退治をという話になり、代わりに安房へ返してもらうという条件を出して、これを受ける。
その後虎退治の顛末が描かれるが、それがひと段落して、舞台はまた関東へ。十一郎が再び使者として、仁を帰してもらうよう、京へ出かけた後、里見は扇谷を警戒して兵の訓練を始めたりなど、臨戦態勢に入る。
折りも折り、八犬士が逗留した穂北では夏行が亡くなったので、里見へ挨拶をしようと使者を立てたが、河鯉を取り逃がした人物が彼をちょうど探している最中、この使者が酔っ払って八犬士や河鯉のことを話しているのを聞いて、彼らを捉えてしまう。そのことを知った穂北の有種が部落全体に呼びかけ火をかけ、逃亡。これが原因となって、扇谷は里見を攻めることとなる…

ふう、どういうわけかあらすじを長々と書いてしまった。京が舞台の部分は、絵の虎が飛び出して暴れるなど、ちょっと昔話っぽい面影があるな。まあ、親兵衛が主役だし、京の百鬼夜行ぶりの雰囲気が出てていいかも。
で、とうとう里見家、八犬士の出番が近づいてきて、わくわく。残り2巻は管領たちとの戦争場面になるのかな?

ところで私は7巻のところで怪異現象多くなってきてるな、と書いたんだが、この8巻中ほどに、巻二十九の贅弁が出ていて、昔の読者も私と同じ事を馬琴先生にいったらしい。馬琴先生はそもそも、最初からこの物語には鬼話怪談があるじゃないか、地蔵のくだりは女子どもにもわかるよう詳しく書いたんだ。それがわからないようではずっとわからないよ、というようなことを書いておりました。
作者の思惑読者知らず、ですいません。
南総里見八犬伝〈8〉 (岩波文庫)
南総里見八犬伝〈8〉 (岩波文庫)
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2010年01月12日

南総里見八犬伝(七) 曲亭馬琴

岩波文庫版『南総里見八犬伝』7巻目
116回から135回まで。
この巻では親兵衛が河鯉孝嗣と知り合い、彼の元乳母に妙椿攻略の計を授かる。そして命により再び館山へ帰って、見事かの城を取り戻したあとは、七犬士を倶さんという命を果たしてないとして、再び里見の領を離れる。
さて、その七犬士たちはヽ大法師の行なう法会に出席のこと、その法会についての顛末、及び八犬士がうちそろい小団円を迎えるのこと。ここまでの話が131回までに書かれている。
もし、日本にも金聖嘆みたいな人物がいたら、ここでぶった切り決定かもしれない。
というのも、山田風太郎がどこに書いてたか忘れたが、あとはひたすら勧善懲悪因果応報をきっちりあわせるかのような物語展開になってしまって、それまでよりは面白くないという意味のことを読んだのを思い起こしたからだ。
とはいっても、私自身まだ先の話を読んでないのでなんともいいがたいが、この巻にある132回以後の話、というか、犬江親兵衛が出てきてからの話の展開が今まで以上に怪異現象多すぎだろうよ?とちょっと思ってたし。
まあ、とにもかくにも、その後八犬士たちの氏変更を願うため、親兵衛が使者となって京へ赴く途中でまた一波乱。
どうでもいいですが、決断力の漢、犬山道節だな、とつくづく感じた7巻ではありました。今までの話の中で親兵衛を除いては一番目立ってるよ。
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2010年01月10日

南総里見八犬伝(六) 曲亭馬琴

岩波文庫版『南総里見八犬伝』6巻目。
じゃじゃ~ん。犬江親兵衛仁登場して、いきなりの大活躍です。
親兵衛は9歳、身の丈三尺四五寸というから大体1メートルちょっとですか。今の子どもからみるとそれほど大きくないように思えるのですが、当時は大きいほうだったのでしょうね。
この親兵衛は伏姫自ら育て上げた神童として存在し、なんと彼と一緒に、あの行方知らずになった姥雪一族もかの場所にいて暮らしていたんです。
馬琴先生、やるな。
さて、親兵衛がきてからはあっというまに素藤は捕えられて一件落着しますが、ここで話がおわるわけもなく、素藤と一緒にいた妙椿の計略に里見の殿様はかかってしまい、親兵衛は遠ざけられ、またしても館山はとられてしまいます。
苦戦する里見。その戦の間に、里見の殿は妙椿が幻術にたぶらかされて、親兵衛を離してしまったことに気が付き、急ぎ彼を呼び寄せるための手配をします。
一方、旅に出た親兵衛は、他の犬士と縁のあった武士の処刑場面に出くわすことに。
とりあえず、6巻はここまで。

この巻では八犬伝出版について、馬琴先生の附言つき。ここまで到達するのに20余年、この間には版元の転遷、また自作にまつわる版元とのトラブルなど書いてまして、昔の作品を勝手にタイトルを変えられて新作として出されたとか、まだ拙いころの作品でもう出したくないものを勝手に出されたとか、版元に対する作家の悩みは今も昔もかわらないようで。
それにしても、ここまでくるのに20余年ですか。ガラスの仮面状態ですな。でも、岩波文庫は全10冊なのでまだまだ終わりませんよ。
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2010年01月08日

南総里見八犬伝(五) 曲亭馬琴

岩波文庫版『南総里見八犬伝』5巻目。
途中で別な本を読みたくなるかな、と思いきや、遅読ながらここまで一気読みです。
5巻は83回から103回まで。
さて、4巻で船虫のことについて少し感想書いたが、この巻でとうとう彼女も引導を渡されてしまう。まあちょっと残念ではあるな。最後の最後まで敵役として登場してくれれば良かったのに、とは思うものの、馬琴先生、ちゃんと次なる毒婦を用意してくれてる予感。というのはこの巻最後の方に、そんな女性かな?と思われる人が出てくるのだ。
で、内容だが、穂北で盗賊に間違えられた現八、大角なのだが、一人の女性の助け、及び犬士たちの登場で土地の領主と懇意になり、話は一気に扇谷を討つ計画までになる。毛野もまた、一人仇を探して、ようやく見つけたが、それが扇谷に関係あったので、結果的に、他の犬士と合流し、七犬士そろっての、ちょっとした合戦になった。
一方、その頃、安房では浜路姫に懸想した素藤が、婚姻を申し入れたが、拒絶されたためまだ子どもの御曹司、義通をさらい、こちらも合戦となる。こちらは膠着状態になり、義実は伏姫の居た洞窟へ、墓参へ向かう。そこで、彼らは…
この巻最後の最後に犬江親兵衛が登場。9歳の彼は大人も顔負けの手腕で流石に犬士だ。

犬士の話ばかり書いたけど、ヽ大(ちゅだい)の活躍も外伝的に載ってる。村人たち惑わして金品を巻き上げてるいかさま法師を、知恵を使って退治する話だ。彼だって伏姫の許婚だったのだし、こういう見せ場はあっても良いよね。

いよいよ八犬士、全員が出揃ったけど、集うのはまだまだ先なんだろうなあ。だって、まだ巻にして半分だけだもの。
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2010年01月05日

南総里見八犬伝(四) 曲亭馬琴

岩波文庫版『南総里見八犬伝』4巻目。
この巻は62回から82回まで。輯にすると七輯と八輯の途中までの収録。現八とともに大角の家の悶着が前巻より続く。
その後、ここにまた仲間とはぐれた犬塚信乃の逸話が始まる。ここで信乃は亡き浜路と同じ名をもつ女性と出会うのだが、くる途中でさる武士の行為を懲らしたことから、また災難に巻き込まれる。
さて、彼はいかになるのか?
と思いつつこの巻まで読んでくれば、まあ八犬士たちは危難に遭いながらもそれを切り抜ける、その切り抜け方が読みどころだとわかってくる。うーん、少年マンガ雑誌みたいだなあ、と思いつつ、読み進める。この後は、再び小文吾と船虫との遭遇。
船虫はたくましいぞ。ちょっと逃げ方は違うけど、なんだか福田和子を彷彿とさせる。
この巻で小文吾は探していた犬坂毛野と再会。玉の由来、あざのことなど、語り合い、この巻ですべての犬士の特徴と経歴が出揃う。
しかし、毛野は再び彼らと別れ、仇を追っていったのであった。
さて、この後は、いかに8人が揃うのか?一番気になるのは神隠しの犬江親兵衛。彼がどうなってるのか、先が気になるう。
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2010年01月04日

紅白、柳生、龍馬などテレビ三昧

年末年始は普段そんなに見ないくせにテレビ三昧になってしまう。おかげでディスプレイ画面を見るのがいやになり、PCと少し疎遠。
年末は紅白を少し見た。永ちゃんの飛び入り(その実ちゃんとセットは用意してある)巨大幸子人形、など、紅白は一体どこへ行くのかますますわからなくなってしまうのであった。
元旦は流石に見るものがなくて、少しネット。それから八犬伝をひたすら読む。2日も八犬伝を3時まで読んで、4時までここに記事を書いた。
で、そのあとはテレビ東京系の「柳生武芸帳」。この新春時代劇スペシャルは年々放送時間が短くなってきてるなあ。12時間から10時間になったときも、おや?と思ったが、今回は7時間。だが、7時間は意外と快適に見ることができたので、案外このくらいの時間でいいのかもしれない。12時間だと、家のことがなにもできない。
で、「柳生武芸帳」私の中では山風の影響が強いのかどの十兵衛を見てもフェミニストに見えてしまう。今回も夕姫に優しかったものなあ。
あと、英樹(高橋)の謡に驚愕。流石に時代劇スターは一味違う。マツケンの音無しの剣を振るう場面もまたよし。
さらに、高島礼子の春日局はどうみても極道の妻たちでした。
しかし、武芸帳3巻あつめて云々というのは結構しょうもない設定だなあ。そのうち原作読んでみなくちゃw
で、柳生武芸帳で一気に体力を消耗して、3日の日は朝から夕方まで眠くてしょうがなかった。ご飯たべては寝るという牛になるような一日。夜に少し回復して、大河ドラマ「龍馬伝」を見る。
龍馬のつかみどころのない性格はまだ始まったばかりのせいなのか、岩崎弥太郎がみた龍馬という設定だからなのか?
しかし、「坂の上の雲」の面々、去年は阿部ちゃん、今年は照之、来年はモッくんでもでるのかしら?
「まあ、君たち3年は拘束されるから、大河にも出てみたら?」とかNHKがいってたりして、知らないけど。
香川照之はノボさんでも人気出てたみたいだが、弥太郎でも人気でそうな感じだなあ。

以上、テレビ雑感でございました。
ラベル:テレビ
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2010年01月02日

南総里見八犬伝(三) 曲亭馬琴

岩波文庫「南総里見八犬伝」3巻目
この巻ではせっかく5人まで集った犬士たちがまたしてもバラバラになってしまいます。
ことの起こりは大塚へ帰って犬川荘助を迎えにいったところ、彼は陣代殺しで捕まっており、その救出作戦を展開するところ。そこでまた数奇な縁により、彼らを助ける人物たちが現れるのですが、ここでは音音(おとね)と2人の嫁の暮らす家に関しての出来事がなかなか涙をさそいます。
その後、小文吾はひとり離れて、とある家に泊まったために、あたら1年を幽閉されたように過ごしてしまうという災難。
一方、現八も仲間とはぐれて、3年を京で過ごすのですが、これではいかんと再び仲間を探すたびに出ます。そして庚申山の近くで因縁話を聞かされるのですが、これがなんとまだ見知らぬ犬士へ繋がる情報だったのでございました。

まだ3巻目だが、「話は聞かせてもらった」とばかりよく外や別の場所で話を立ち聞きしてるのがなんとなくおかしいというか、まあいいんだけど、ありがちなお約束でなんとなくうれしくなってしまうようなベタさ。
それと、人に今までのいきさつを話すときに、今の小説のように略さないで、いちいち説明してくれるのは親切設計。これがなければ恐らくもっと短くなるんだろうけど、私のような並脳では忘却してることも多いので、これはとても助かる。元が庶民向けの読本ということもあるのかな?

それにしても、各輯の初めに序文があるのだが、これ、返り点しかついてない漢文なので、読みにくくてほとんど飛ばしてる。なにせ漢文は苦手。
各輯のあらすじをまとめたものがついてるのはなかなか親切だが、それよりは序文の書き下し文をつけて欲しかった。ああ、なんて書いてあるんだろう。気になる。もっと漢文を勉強しておくべきであった。
南総里見八犬伝〈3〉 (岩波文庫)
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