2007年05月31日

物は言いよう 斎藤美奈子

セクハラの定義はなかなか難しい。主観的な感覚が介入してくるからだ。しかし、その場に相応しい服装を求められるようないわゆるドレスコードのように、性、性別に関する話題についても公的な場での相応しさがあるのではないかと、著者はFC、フェミコードという概念を打ち出した。
それを基準にどういうものが抵触するのかという実例を過去の著名人などの発言を批評している。
いや、溜飲が下がるものあり、自分もいってしまうかも、と焦りそうなものありで大変参考になる。保守関係の中高年男性がたくさん槍玉に上がってる中で、女性でもFC的にまずい発言をしている方が結構いらっしゃる。思うに、こうやって細かく検証してゆくと男女問わず、女性蔑視的な偏見というものを知らず知らずに身に付けてしまってるもののようである。その中にはそういう偏見を打ち破るために活動している人の中にもあって負の形で影響しているのだ。
その顕著な例が【心得五九】男女平等教育にも優先順位あり、という項目で示されてる。
しかし、フェミ・ファシズム(フェミニストが男女平等を唱えながらその実、性差否定、専業主婦否定などを説いてる)があるといってる先生も出てきたがここまでくると被害妄想としか思えないなあ。
物は言いよう
物は言いよう斎藤 美奈子

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2007年05月30日

壊色 町田町蔵

町田町蔵とはご存知町田康のパンク歌手時代の名前。
詩集みたいなエッセイ集みたいな、純文学みたいな、なんと呼んだらよいのだろう。一応エッセイ集みたいではあるが。
表現に迫力があり、部屋で読みながらライブへ来て音楽を聴いてるような感じという喩えはあながち誇張ではない。
これは人間が隠しておきたい滑稽な失敗、卑小なこだわり、堕落はいかんといいながら徹底的に堕落を生きる、そんなものが現れてるんではないかと。
それと、他の本の話になって申し訳ないのだが、筒井康隆の「巨船ベラス・レトラス」という小説に出てくる前衛文学雑誌「ベラス・レトラス」に掲載されてるような文学の1つにこの本に出てくるような文章がありそうな感じがした。
特に第四章「【唱歌註釈】全アジアの女性たちよ」
これは唱歌の発音はそのままに全然別の意味を当てはめてその歌の註釈を書いてる。
短いのを1つ引用してみよう。
ぞうさん
「佐久間象山がなかなか帰らぬ根本の理由は、花が見事であるからだ」「そのとおりだ、今は余暇だし。あっそういえば軸の讃も見事だね。あれも帰らぬ根本原因だ」

そのあと漢字や句読点を打つべき部分をまったく変えた「ぞうさん」の歌が書かれているのだ。
この訳のわからなさがたまらない
壊色
壊色町田 町蔵

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2007年05月29日

なぜに限界?

久々の覚醒夢。覚醒夢とは夢の中で夢を見ているということに気がついていることをいう。
その夢
私は夜、寝ている。部屋に誰か入ってきて私の手を引っ張る。眠いから起きるのはいやなのだけど、あまりにもしつこく引っ張ってくるので仕方なしに起き上がって空中に浮かんだ。でそのまま部屋を抜け出す。このあたりから、あ、これは夢だなあ、と気がつく。と同時に今自分は昔住んでた家の居間の天井付近に浮かんでいる。
夢だから、この居間から壁を抜けて外へ出られるはずだと思って、天井へ向かうが壁に阻まれて通る事ができない。
夢なのに、なんでもできるはずなのに、なぜ通れないのだ?これは私が自分で思い込んでるだけだということは知っている。でも通れない…
てなところで目が覚める。
いやあ、夢の中でも現実の常識にとらわれてるんかいな、と思って苦笑した。
次回、こんな夢を見たら、また壁抜けに挑戦してみたいと思う。
タグ:
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2007年05月28日

趣味は読書。 斎藤美奈子

20と21世紀をまたぐ数年間でベストセラーになった本を読んでご報告しましょう、というこの本、テイストはどうも読書傾向に一癖ありそうなひと向けである。だいたいベストセラーというもの、そういった人達は食わず嫌いやへそ曲がりぶりを発揮して読まない事が多い。
どう考えても「光へ向かって(以下略)」とか「金持ち父(以下略)というのは買わないだろうということは想像がつく。
で、中身であるが、単なるあらすじ本ではなくて、当たり前だけどちゃんと批評がついてきている。いや冗談ではなくなんの本とはいわんがどこからか切り取って寄せ集めてきた本をよく見かけるからだ。
それにしても、この本を読むと自分があまり本を読んでないにも関わらず、「邪悪な読者」なのかもしれないと思えてくる、というか選民思想よろしく思いたくなってくる。
ところで本を健全な趣味だと考えるような、この本の言葉でいえば「善良な読者」は皮肉っぽいこの本をどうとらえるのだろう。この本を「面白い」と思った時点で「邪悪な読者」へと変わってしまいそうな気がする。
趣味は読書。
趣味は読書。斎藤 美奈子

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2007年05月27日

タイムマシンをつくろう ポール・デイヴィス

H・G・ウエルズの「タイム・マシン」を読んだあとでこのタイトルの本を見かけたのでこれも読んでみることにした。
まず、光の速度に近くなるほど時間の進みは遅くなる、という理論を利用しての未来への行き方を説明、そのあと過去についてはワームホールを利用しての過去への行き方を説明している。人間が通れることのできるワームホールをつくればタイムトラベルができるのではないか、ということでその作り方について説明、その際の問題点などを論じてる。
SFやドラえもん出てくるような乗り物ではないけれど、物理学で理論上は不可能ではないのだなあ、と妙に感心してしまった。
Q&Aではタイムパラドックスについての考察もあって、そういえばドラえもんで同じネタがあったことを思い出したりもした。
タイムトラベルを研究することは「思考実験」だという。これは理論的欠陥や矛盾を洗い出すという目的があるそうだ。このような実験について一般向けに解説された本書のような内容は小説とはまた違う好奇心を刺激してくれる。
タイムマシンをつくろう!
タイムマシンをつくろう!P.C.W. デイヴィス 林 一

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starタイムマシンはあったほうがいいのかな?
starほんとに
star松本匡もたぶんビックリ。

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タグ:宇宙 物理学
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2007年05月25日

タイム・マシン他九篇 H・G・ウエルズ

当時にはなかった言葉であろう、19世紀末のSF小説である。100年以上前の作品なので随分今のSFと違うのではないかと思ったのだが、案に相違してまさにSFな感じはやはり古典といわれるだけのことはある。表題の「タイム・マシン」は有名であるが、私がなにが凄いと思ったかといえば、時間旅行の行き先に80万年後を設定したという思い切った発想。壮大でよろしい。
さてそれはともかく、この未来ではウエルズの生きたイギリス社会への皮肉みたいなことも感じた。まあ、イギリスでなくても現在でも通用するかもしれない。
好きなのは「塀についた扉」
生き方、というかどのように生きるか、ということについて考えさせられる作品。誰しもこのような扉を持っているのかもしれないと思う。
「盲人国」では優れてると思われる人と違った能力を持つものが必ずしも成功するとは限らないという見かたができる反面、人と違う能力は誤解されるのだという見方もできる、秀逸な作品。
タイム・マシン 他九篇
タイム・マシン 他九篇H.G. ウエルズ 橋本 槙矩

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star天才作家ウェルズの珠玉の作品集
star幅広い年代の人が読める!!!!!
starタイムマシン

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2007年05月23日

快楽主義の哲学 澁澤龍彦

人生には目的などなく、幸福などというものはあいまいである。
快楽とは欲望を充たした状態であり、欲望を充たそうとする努力が人間が避けて通れないいわば人生の目標である、という前提を掲げて道徳や社会理念といったものよりは背徳とされてるものからの見方より人間の生き方について書いている。
とはいっても現在まで伝わってる過去の書物からいろいろな話を引き出してきているので、破壊的というよりはやさしく書かれた教養書のようであり、いろいろ勉強になって面白い。
ところで快楽といっても自然に親しみこれと一体になることや逆に自然に抵抗してこれを征服するものなどいろいろである。この多様さは矛盾にもなりこの本でも一貫性を欠く様なことが見られるのであるが、よくよく読むと1つの考えに行き着いてるようだ。
引き合いに出されたのは明らかに信念をもって外の規範から逸脱している人物ばかりであることを考えた時その考えというのはなにかの規則に従うではなくそれに縛られないことなのではないかと思う。
快楽主義の哲学
快楽主義の哲学澁澤 龍彦

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star勝負に出るときに読む本
star快楽主義の考察
star自分に正直であれ

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タグ:反社会的
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2007年05月22日

かくて秘境は俗世となる


エベレスト山頂から携帯電話が地上に繋がったという。
登山者にしてみれば命綱ともなるであろうから歓迎ムードのようだが、こうしてどんどんこの俗世から逃れられる場所がなくなってゆくのは偏屈な私にしてみれば少々寂しいことだ。
あとは海底へ潜るしかないのだろうなあ。
それにしても、この携帯電話に限らず、エベレストは身近な山になってきてるようで、17回も登ったとか軽装で登ったとか、ちょっと聞くとそこらへんの山の話かと思ってしまうほどだ。
ゴミもたくさん捨てられてる、などという話も聞く。
エベレストはもはや秘境ではなくその登山は難しいスポーツに挑戦みたいな感じなのだろう。
まあ、別に自分が登るわけではないのにごちゃごちゃいうのもなんなのですけど。
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2007年05月20日

モンキー・ハウスへようこそ(1)(2) カート・ヴォネガット・Jr

ヴォネガットはSF作家だと聞いていたが、この短編集は意外にSFチックなものが少なかった。どちらかというと人生での悲喜劇を面白く描いた作品が多い。
1巻と2巻を比べると2巻の方が読み応えがある。1巻では「王様の馬がみんな…」の手に汗を握るような展開や「ほら話、トム・エジソン」のばかばかしい話が面白かった。
2巻になると収録されてる作品のどれもが一考したくなるようなテーマを投げかけていて、特に「人間ミサイル」などはこれが文字通り読んでいいものなのか、深読みすべきなのか迷うし、「孤児」「手に負えなかった子供」「アダム」などは人間と社会というものについて考えてしまう。
とはいっても、もともと雑誌に掲載されていた作品群なのであまり重苦しくはなく、さらりと社会の矛盾をついてたり、時には人生の素晴らしきことなどが書かれていて、青少年には人間について少し学べるのではないかしら、なんて思ったりして?h?????n?[?g
モンキー・ハウスへようこそ〈1〉
モンキー・ハウスへようこそ〈1〉カート,Jr. ヴォネガット 伊藤 典夫 浅倉 久志

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star普通小説として面白い短編集

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モンキー・ハウスへようこそ〈2〉
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タグ:短編 娯楽
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2007年05月19日

いろいろな人たち カレル・チャペック

カレル・チャペックの人間観察と表現は巧みだなあ、と思う。
「病法指南」における他人の病気についての反応の仕方とか、「男と武器」における男性の幻想とか、「われらが悪しき性格」における他人の不幸は蜜の味的指摘など、あるある、といいたくなるようなことがユーモアたっぷりに表現されているのである。
さらに後半は政治的社会的な記事では悲惨な事件に遭遇した人々に対する同情やイデオロギーに対する批判などもあってチャペックの魅力がこの1冊でも十分伝わってくる。
この本は新聞コラム記事の編訳であるので全部ではない。他の収録されてない記事も読んでみたくなる。
いろいろな人たち―チャペック・エッセイ集
いろいろな人たち―チャペック・エッセイ集カレル・チャペック 飯島 周 Karel Capek

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2007年05月17日

またしても苦虫くんが。

もっとハッピーに生きたいぜ、などと思うのだがこれは生まれ持った性格なのか環境によって作られた性格なのか、ちょっとしたことでアンハッピーさらにそのさきはアングリー。
ああ、なんだかおかしな言葉づかいになってるな。
いやさ、自転車を利用して用事を済ませたり買い物へ出かけたりするのだが、どこぞの車が歩道に駐車しておる。
私は自転車だからいいけど、車椅子ベビーカー利用者にとってはとても危ないのではないかと思う。
だって、車道へ出なければ通る事ができないから。
その路上駐車の前は店だったり個人宅であったりいろいろなのだが、そんな場所を通りかかる度に頭に血がのぼりそうになる。
歩道をなんとこころえてるのだ。
去年からおもに大きな通りでの駐車取り締まりは厳しくなっても、歩道に乗り上げて止めてる車までは手がまわらないのか。

ふう、久々に書き散らしの幸せ??[?h
なんだかんだいっても文句たれるのが好きなようだな、わたしは。
タグ:文句
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2007年05月14日

ダブル・スター ロバート・A・ハインライン

宇宙船が出てきたり小難しい科学理論が出てくるとどんなものでもSF小説として見られる。これも舞台は太陽系全体であって火星人(!)なども地球でバーに立ち寄ったりするのだが、実を言うと中身は政治小説といっていいのではないだろうか。一市民が政治活動へと否応なく投げ込まれて政治の舞台裏に関わるようになるのだが、それが書かれた当時のアメリカの政治の理念や実情を描いているのでは、と想像したくなるからだ。
主人公の落ちぶれた俳優はとあるきっかけで要人の替え玉の役をやることになる。最初はトラブルに巻き込まれて難儀するも、次第に落ちぶれた役者が要人の訳になりきるにつれ政治舞台の裏を動かす手腕が磨かれてきて、その成長ぶりが面白い。
ちなみに解説で触れていたが、本のタイトル「ダブル・スター」はそのままだと連星のことをいうそうだが、ダブルには映画用語で「代役、吹き替え」という意味があるのだそうだ。うまいタイトルである。
ダブル・スター
ダブル・スターロバート・A. ハインライン Robert A. Heinlein 森下 弓子

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starSF好き!
star太陽帝国の危機

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タグ:SF 政治
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2007年05月13日

XY(ガイア)伝説 半村良

タイトルはアルファベットでXYと打ち込んであるが、このような形の漢字があり、本のタイトルはその字で書かれている。
巻頭に説明がのっていて
X[ガイ]草を刈る。治める。賢人。戒める。
Y[ア]ふたまた。草木の枝が分かれたさま。あげまき。子どもや少女の角髪

ということだ。
この小説には地球をひとつの生命圏としてとらえた思想をもつ集団が関わってくる。
人間によって破壊されてきてる生命圏が危機を迎え始めている、ではその危機を脱するにはどうしたらよいのか、その解決をその集団は植物に求めているのだが、そこはSF、奇妙な解決方法が描かれている。
まあ、確かに環境が良い、ということを言う場合、植物が生き生きとしている地域を思い浮かべたりするなあ、ひとは。
SF、というとどうも反ユートピアだの、暗い未来だの、とどこかで裏切られたりする作品が多いようなイメージがあるので、この小説もそのような類のものかと読みすすめたのだが、どうも違うようだ。私はこの終わり方からすると著者は一種のユートピアを描きたかったのかな、と思った。だが、別の人はこれをグロテスクな姿ととるかもしれない。
ΧΥ(ガイア)伝説
ΧΥ(ガイア)伝説半村 良

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タグ:SF
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2007年05月11日

あなたが好きな作家と書名を教えてください。

人力検索はてなでこのような質問を発見。
あなたが好きな作家と書名を教えてください。
はてなというところはちょっとしたネタを提供してくれるところがいいね。
まあ、そういうわけでトラバでこの質問を回答しようと思う。

この質問の最初の回答者もあげていたけど、町田康の「告白」はもう最高です。
嗚呼、熊太郎。
告白告白
町田 康

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筒井康隆はもう若い頃からのファンでどれをあげるか迷うのだが、やっぱり無人島で本を1冊ということになると「旅のラゴス」だろうなあ。
旅のラゴス旅のラゴス
筒井 康隆

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カレル・チャペックの人間観はとても素敵だ。人間が人間らしく生きることについて小説やエッセイでたくさんのことを教えてくれる。
このチャペックとの出会いは趣味の園芸を通じてで、というのは、この「園芸家12カ月」という本を読んだ事がきっかけだったからである。
園芸家12カ月園芸家12カ月
カレル チャペック Karel Capek 小松 太郎

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2007年05月09日

人生をいかに生きるか(上)(下) 林語堂

西洋の哲学、宗教(キリスト教)に対して、中国独特の思想と異教徒と称するその考え方を現した著。
なかなかに中国人というのはよくも悪くも現実的なのだということがわかる。まあ、その現実的というのはアメリカ人とはコインの裏表のような関係でもある。
例えば、アメリカ人が快適な生活を送る、ということは便利なもの、遊べる道具などをどんどん作り出すことであり、中国というのは現在ある生活の中に楽しみを見い出す、といったことのように私は受けとめた。
上巻は主にそういった内容であるが、下巻になるとより具体的な生活の楽しみについて嗜好品、自然、教養などのことが随筆風に書かれていて、これは結構面白かった。
悠間哲学というのだそうであるが、気の合う友人と茶や酒を酌み交わしながら楽しく談じたり、月や花を愛でる生活というものはなかなかに魅力的ではある。
人生をいかに生きるか 上 (1)
人生をいかに生きるか 上 (1)林 語堂 阪本 勝

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人生をいかに生きるか 下  講談社学術文庫 447
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タグ:哲学 自由人
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2007年05月07日

美しいものだけを見る

というようなことを言う人がいる。その意味はいろいろあるであろうが、ひとつには醜いものは見ないで、綺麗なものだけを見る、というような意味でいう人もいるだろう。
だが、美醜というのはそんなに客観的に分けられるものなのだろうか、とこの頃つくづく思う。
それというのも自分が園芸を趣味にし始めてから変な花だなあ、と思うようなものが美しく見えてきだしているからだ。自分では全くそんな大層な領域までいってるわけでもなくておこがましい言い方になってしまうが、それは通常「マニアックな好み」と称されるような感じである。
その物事が好きであると、変、とか醜い、といった基準はどんどん下がり、最後にはどんなものにでも美を見い出せるようになるのではないか。もっというと醜さゆえに美しいと言い出すかもしれん。
この世の中全部に美を見出す事は至難の技かもしれないが、少なくとも、犯罪がらみではないものではどんなものでも美しさを見出す事ができれば結構楽しいのではないかと感じた。

なにか春の陽気で精神が高揚してるかも。
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2007年05月05日

人生の逆説

zinsei.jpg
久々の作品。
特に注意書きすべき点はない。

追記
このテンプレだとオリジナルサイズではサイドバーが落ちてしまったのでサムネイル表示へ変更。
タグ:自作詩
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2007年05月04日

どこからかぎつけるのやら

むうサイドバーにつけてた掲示板に変な書き込みがくるようになってしまったぞ。
まさかブログパーツにまでこんなのがくるとはな。全く鼻の利くお方で。
仕方ないからそれは取りはずした。
まあ、最近全然使ってないし。
CHOBIさん、スパム対策できるような機能取り付けたほうがいいかも。
タグ:CHOBI
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2007年05月02日

絶対子工場 カレル・チャペック

カレル・チャペック1922年の作。
その時代をとうに過ぎてしまった近未来小説が読まれるというのはその中に今でも変わらないなにかがあるからだと思う。
マレク技師が原子エネルギーを利用する技術を開発した。物質にはエネルギーが縛られて存在していて、それを解放する、という方法だ。
だが、その解放するための原子炉からは副産物ともいえる謎のものが放出される。「絶対子」というそれは浴びると神がかりになってしまうというのだ。
物質すべてには神が宿ってる、という汎神論からアイデアを得たのであろうこの着想が面白い。
この小説では神がかりになった民衆がいつの間にか各々の信仰をつくり上げ、その主張がぶつかるために宗教戦争にまで発展してしまうのだが、便利な発明が人間に幸せをもたらすのか、という問いの他に、いかに慈悲深い宗教思想といえども、これこそ正しいと思うことそれ自体がすでに過った行為に走らせる、という逆説を描写している。
小説の時代は20世紀半ばに設定されているが、書かれた時代をはるかに過ぎ去った現在でも、これと同じようなことがどこかで行われている、という事実があることを思う時、残念ながらまだこの小説は古くならないのである。

ところで、この本アマゾンではあつかってない。
代わりに出版社の紹介しているページをリンクしておく。
木魂社 文学
タグ:近未来 SF
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